ホーム ハラスメント 東京都内の公立学校の教職員に対するカスハラ。23%が保護者などから長時間拘束や暴言

東京都内の公立学校の教職員に対するカスハラ。23%が保護者などから長時間拘束や暴言

この記事のサマリー

  • 東京都教育委員会が、都内の公立学校の教職員が受けるカスハラの実態を調査
  • 教職員の23%がカスハラを経験。 保護者からが最も多く88%
  • 「業務が逼迫し時間外労働が増えた」が41%。意欲の低下や心身の不調も

目次

東京都教育委員会は5月9日、都内の公立学校で働く教職員のうち、23%が保護者などから長時間拘束や暴言などを受けた経験があるとの調査結果を公表しました。

都は昨年の2024年10月、学校現場も含めた全国初のカスタマーハラスメント防止条例(東京都カスタマー・ハラスメント防止条例)を制定。同日、保護者と地域との良好な関係づくりについて検討する有識者会議を立ち上げました。今回の調査は、その一環で行われたものです。

それでは、調査結果の概要を見ていきましょう。

データ・画像出典:東京都教育委員会「学校と家庭・地域とのより良好な関係作りに係る有識者会議(令和7年5月9日 第1回会議資料)」(PDF)

問題発言や行為を受けたことがある教職員は23%。
相手は「保護者」が88%

調査は、都内の小中学校などの教職員約8万人を対象に4月4日から30日にかけ、インターネット上で実施。都内の公立の小学校、中学校、高校、義務教育学校、中等教育学校、特別支援学校学校の教職員を対象に実施。1万1,044人(うち、小学校7,652人、中学校2,903人、高校316人、特別支援学校148人)から回答を得ました。

過去5年間に、学校外の人物から社会通念上、問題のある発言や行為を受けたことがあるかという設問では、「はい」が23%でした。

過去5年間に外部との良好な関係づくりに支障が生じた経験があった教職員は2,477人。うち88%がその相手を「保護者」と回答。続いて、「地域住民」が7%、「企業・団体等」が4%という結果でした。

トップは「時間的拘束」で60%。
次いで「暴言」が55%、「過度な要求」が40%

具体的な行為(複数回答可、3つまで)では、長時間の電話などの「時間的拘束」が60%、大声、暴言、恫喝などの「暴言」が55%、言いがかりによる金銭要求などの「過度な要求」が40%でトップ3でした。

殴る・蹴るなどの「暴力(殴る・蹴る等)」は0.6%とほとんど見られませんでしたが、物を壊す、殺すといった発言による脅しなど「威嚇・脅迫」は19%で4位、繰り返しの問い合わせなどの「リピート」は5位でした。

教職員へのカスハラは、
業務への支障や心身の不調につながる

こういった保護者などによるカスハラにより、言動によりどのような影響が生じたかという設問(複数回答可)では、「特に支障はない」はわずか3%に過ぎず、「業務が逼迫し時間外労働が増えた」が41%「仕事への意欲が低下した」が25%「心身に不調が生じた」が20%と、教職員の業務への支障や心身の不調につながっていることが明らかとなりました。

同じ人物から繰り返しこうした言動や行為を受けたかという設問では、「はい」が64%、「いいえ」が30%、「わからない」が3%。教職員に対するカスハラは、同じ人物から繰り返されやすいという実態が浮き彫りになりました。

まとめ

以上、東京都教育委員会の有識者会議の資料をもとに、都内の公立学校の教職員が受けるカスハラの調査結果を見ました。

ひところに比べて「モンスターペアレント」という言葉を聞く機会は減りましたが、それでも公立学校の教育現場ではカスハラがそれなりの割合で発生していることがわかりました。

都内の小学校、中学校、高校などの公立学校では、メンタルヘルスケアとハラスメント防止の取り組みという点で、法整備や社会の意識変化を背景に、スクールカウンセラーなど専門職の導入、組織的な対応体制の構築、教職員自身の働き方改革やハラスメント防止措置の義務化へと進展してきました。

児童・生徒に対しては、いじめ問題への対応を中心に、早期発見・早期対応、相談しやすい環境づくり、SOSの出し方教育などが重視されています。教職員に対しては、ストレスチェック制度の導入やハラスメント防止研修の実施、相談体制の整備、そして根本的な要因である長時間労働の是正などが行われています。

このような中、主に保護者から教職員へのカスハラが話題となっており、対策が検討されている中での調査でした。

今回の記事が、みなさんの参考になれば幸いです。

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