ホーム ビジネス インタビューやヒアリングで、インタビュアーがついやってしまいがちな3つのNGに注意しよう

インタビューやヒアリングで、インタビュアーがついやってしまいがちな3つのNGに注意しよう

プロのライターに限らず、仕事でインタビューヒアリングに関わる人が多いのではないでしょうか。

たとえば、

  • 市場調査のために、自社商品のユーザーやターゲット層の人びとの意見を集める
  • 自社の満足度について、取引先や顧客に意見を求める
  • 社内報やウェブサイトに掲載するために、社員に仕事内容や考え方などを聞く

といった目的で、聞き手を担当する機会があると思います。

インタビューでむずかしいのが、聞き手であるインタビュアーの心がけや態度によって、実りあるインタビューになるかどうかが決まることです。

そこで、インタビューやヒアリングでやってしまいがちなインタビュアーのNG行動について、経験を交えてお話ししましょう。

NG 1:インタビュアーが話しすぎてしまう

回答者がもともと寡黙な人、インタビュー慣れしていない人であれば、あなたが質問をしてもしばらく考え込んでしまう、答えがボソッとしか返ってこない、といったことが多くあるでしょう。

そんなとき、場を少しでも盛り上げようと、ひとりで話し続けていませんか? 

インタビューの場数を踏めば、上記のような回答者への対処方法が身についていきます。沈黙の埋め方、話の切り替え方などがうまくなり、楽しい時間にする術(すべ)に長けてきます。

しかし、あなたが途切れなく話すことで、あたかもインタビューそのものが盛り上がったように錯覚してしまいませんか?

自分が話すことに夢中になるあまりに、あとからボイスレコーダーの音声を聞き直してみたら、

  • 肝心なことが聞けていなかった
  • 話題の深掘りが不足していた
  • 相手の回答が充分なボリュームではなかった
  • 本題とは関係のない話に、時間の大半を使ってしまった

といった失敗につながってしまうことがあります。

インタビュアー初心者は、気持ちの高ぶりや強い責任感、空白の時間への恐怖心から、自分から話を盛り上げなければと、はりきりすぎてしまうことがあるでしょう。

また、インタビュアーの経験をたくさんしている人、普段から饒舌の人も注意が必要です。話すスキルが高い分、回答者を差し置いて話しすぎる恐れがあるからです。慣れないシチュエーションでは、初心者と同様、感情をうまくコントロールできず、何とか言葉をつなごうと一所懸命になってしまうこともあるでしょう。

こんなときに思い出したいのは、場を盛り上げることが、インタビューやヒアリングの目的ではないということです。回答者から本音の話、有意義な話を引き出すことが目的です。

回答者よりもインタビュアーが話しすぎないように気をつけましょう。

NG 2:誘導尋問になってしまう

相手に答えてほしいことを先回りして自ら口にし、自分たちにとって都合のよい答えを相手に押しつけていませんか? 

回答者が表現に難儀している様子を見て、インタビュアーが呼び水や助け舟となる言葉を合いの手として加えることは大切ですが、もし「回答者にこのように答えてほしい」という思いが念頭にあるのなら、たとえ相手が同意したとしても、その回答は相手から引き出したものではなく、あなたの考えです

極端にいえば、あなたが先回りして「答えてほしいこと」を口にしてしまったら、回答者を誘導尋問したことになります。

温和な性格の人、寡黙な人、自分の考えをまとめるのが苦手な人は、「インタビュアーが勝手に言葉を埋めてくれたほうが気が楽だ」と考え、「そうですね」と答えてくれる可能性が高いでしょう。

しかし、その「そうですね」は、本心から出た言葉なのでしょうか。

実は、その場を無難にやりすごしたいだけかもしれません。うがった見方をすれば、「この人は、きっと私の言うことをねじ曲げて解釈するのだろう」と、内心で諦めていることもありえます。一度だけならまだしも、二度三度と繰り返すことで、回答者のあなたへの信頼が失われていくでしょう。

もちろん、インタビュアーの呼び水や助け舟が的確であれば、回答者は気持ちよく話し続けてくれるでしょう。先回りや押しつけではなく、回答者をサポートすること、本音を引き出すことに心を配ります。

インタビュアーが回答を先回りして答えてしまわないように心がけましょう。

NG 3:回答者に遠慮しすぎて、深掘りをしない

回答者が貴重な時間を割いて、この場に来てくれたことに対する感謝の気持ちは必要ですが、それが過剰な「遠慮」になってしまってはなりません。

回答について「なぜ?」「どうして?」と感じたことには、きちんと質問を重ねましょう。インタビュアーは、読み手の代表でもあります。自分が疑問に思ったこと、もっと知りたいと思ったことは、読み手もそう思う可能性が高いのです。

回答に対してさらに質問を重ね、深掘りをすることで、いっそう有意義な回答を引き出すことができます。たとえば、社員インタビューで、「◯◯というプロジェクトでは、思ったような成果を上げられなかった」という発言に対して、「その原因は何だと思いますか?」「その経験をどのように活かしていますか?」といった質問をすることで、話題に深みや広がりが生まれます

もちろん、すべての回答に対して深掘りをするのは、インタビュー時間との兼ね合いでむずかしいかもしれません。文字数が決まっている場合は、すべてのやりとりを掲載できるわけではないので、全体のバランスを考えながら進行することになるでしょう。しかし、「読みどころ」になりそうな話題は、しっかりと深掘りをし、読み手の満足を心がけることが大切です。

回答者に遠慮しすぎず、ところどころで踏み込んだ質問をし、読みごたえのあるインタビューを目指しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。NG行動3つに、身に覚えはありませんか?

場を盛り上げることと、相手の緊張をほぐそうとすることは別です。同様に、相手に答えてほしいことを先回りして自分が言ってしまうことと、回答者が話しやすくなるように促してあげることは別です。

インタビュアーは、相手が考えをまとめる時間をつくるために、自分が話したくなる気持ちをこらえ、時には沈黙にも耐えなければなりません。また、ここぞというときに、踏み込んだ質問をする勇気も必要です。

あなたがよきインタビュアーであろうと心がけていれば、インタビューはきっとうまくいくでしょう。

インタビュー進行のコツをまとめたインタビューや対談・座談会をどう仕切る? プロのライターが進行や録音のコツを教えますも参考にしながら、いっそう実りあるインタビューやヒアリングが実施できるように工夫してみてください。

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