ホーム ハラスメント 企業が電話の録音データを改ざん!? 消費者の対抗手段として「通話録音」を試してみる

企業が電話の録音データを改ざん!? 消費者の対抗手段として「通話録音」を試してみる

この記事のサマリー

  • 録音データの改ざんには、自分でも録音することで対抗
  • 受話器からの音声をボイスレコーダーで直接録音してしまう方法が万能
  • 自分の声も聞きやすく録音するには工夫が必要

目次

先日、東京電力から勧誘業務を委託された某上場企業が、電話勧誘の録音データを改ざん・捏造していたことが報道されました。

内容としては、録音データを勝手に編集し、「音声のすり替え」「不都合な発言の削除」などを行い、電話で契約が成立したかのようによそおっていたのです。

今回の件は契約完了の書類が届いたことを不審に思った消費者が、消費生活センターに相談したことによって発覚したようですが、実際には金融商品など複雑な内容の契約で「言った、言わない」を証明するのは難しいでしょう。

このような事態に巻き込まれないためには

対抗手段としては、電話の録音(通話録音)が考えられます。

対面の契約の場合はボイスレコーダーをカバンやポケットに忍ばせておけばよいでしょう。一方、電話の録音には特別な装置が必要だとお考えではないですか?

実際、固定電話の録音装置や、携帯電話の外部端子に接続する録音機器は存在しますが、高価だったり操作が難しかったりします。

また、スマートフォンでの通話を録音できるアプリなどもありますが、LINE通話やFaceTime通話など多様な通話手段に対応したアプリは見つけられませんでした。

アナログな方法で対応してみる

そこでシンプルに、受話器からの音声をボイスレコーダーで直接録音する方法を考えました。

イヤホン型のマイクを耳に装着し、その上から受話器を当てて通話を録音します。「通話録音用マイク」「テレフォンピックアップマイク」と呼ばれる商品で価格も2,000円程度と安価です。

かなりアナログな方法ですが、物理的に録音するので固定電話や携帯電話の通話はもちろん、アプリが使えない通話方法でも問題なく録音できます。

それでは、通話録音用マイクの具体的な使い方と、製品レビューを見ていきましょう。

製品のパッケージとスペック

今回レビューする製品は、株式会社オーディオテクニカの「モノラルマイクロホン AT9905」です。

見た目は普通のイヤホンのようにしか見えませんが、この製品はマイクです

なので、プレイヤーなどの機器につないでも何も聞こえません。

裏面には製品情報が記載されています。

    パッケージを開けて同梱物を確認します。

    • 本体
    • イヤーピース(XS/S/M/L)
    • 説明書
    • 保証書

    イヤーピースはL、M、S、XSサイズとあり、本体にはMサイズがはじめから付いています。

    本体の背面はマイクになっており、ここで電話の音声を録音します

    通話録音用マイクの使用方法

    それでは使用方法を説明します。と言っても、とても簡単です。

    本体のプラグをボイスレコーダーのマイク端子に挿し、イヤホン部分(マイク)を耳につけて録音を開始します。イヤホン端子に挿してしまわないように注意してください。

    あとはマイクをつけた耳で通話するだけです。

    今回はスマートフォンで試しましたが、当然、家や会社の固定電話でも通話録音が可能です。

    仕組みは?自分の声は録音できるのか?

    マイクから入った音声はイヤホン部分から直接聞こえるので、通話にはまったく問題ありませんし、録音も問題ありませんでした。

    仕組みは下図のようになっており、受話器から聞こえた音声はイヤホン部分から音を出しつつ、ボイスレコーダーにも音声を送っています

    ただ、このようなマイクで気になるのが「自分の音声が録音できるか」です。

    実際に録音した会話内容を聞いてみたところ、自分の音声も会話内容を理解できる程度には録音されていました。

    ただし、マイク部分と口元が少し離れているからか、相手の音声に比べると「こもった声」「濁った声」に録音されてしまい聞き取りづらく感じます。

    また、相手の音声の方が音量が大きいため、やや違和感や聞きづらさがありました。

    自分の声も聞きやすく録音するには

    この点を改善する手段のひとつとして、「電話の音量を下げる」方法があるでしょう。

    これは単純にマイクまでの距離の違いが原因ですので電話の音量を下げることで、ある程度の改善が見られました。

    もうひとつの手段としては、自分の音声を別のマイクで録音する方法があります。

    といってもボイスレコーダーを2台用意する必要はありません。

    マイク端子を分岐するアダプターをICレコーダーに付け、そこに「通話録音用マイク」と自分の音声を録音するための「ピンマイク」を挿し込みます。

    この方法では、双方の音声がクリアに録音できました。

    ただし、この方法ではマイク端子を分岐するアダプター選びに注意が必要です。

    「モノラルマイクロホン AT9905」はプラグインパワー方式という電源形式を使用しているので、アダプターもその形式に対応している必要があります。

    今回は株式会社JVCケンウッドの「プラグアダプター AP-212A」を使用しました。

    まとめ

    いかがでしたでしょうか。

    企業の録音データ改ざん・捏造などの被害者になることはほぼないと思いますが、オレオレ詐欺などのような電話を利用した詐欺行為も後を立たない中、防衛手段を知っておくことは重要と考えます。

    自分だけではなく、高齢の両親や家族が被害者になる可能性もあります。被害にあってから嘆くより、自衛のための準備をしておくのはいかがでしょうか。

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