ホーム ビジネス 会議や飲み会で「聞き取れずに混乱」する。実は「脳の処理」の問題(LiDやAPD)かも?

会議や飲み会で「聞き取れずに混乱」する。実は「脳の処理」の問題(LiDやAPD)かも?

この記事のサマリー

  • 耳は正常でも、雑音下での会話が難しいという人もいる
  • 「聞こえるのに理解できない」という人は、LiDやAPDの可能性あり
  • LiDは“状態”の呼び方、APDは診断名
  • 聞き取り困難によって社会性が失われてしまうことも
  • 録音や字幕を活用するだけでストレスが軽減されることも

目次

「会話中に聞き間違いや聞き返しが増えた」
「居酒屋での会話がうまく聞き取れない」
「会議で複数人が同時に話すと混乱してしまう」

こんな経験をしたことはありませんか?

多くの人にとって、にぎやかな環境での会話は少し聞き取りづらいもの。ですが、中にはそれが日常的に大きなストレスとなる人がいます

実は、加齢や生活習慣と関係することもあれば、若い人にも見られる現象です。まだ一般的な認知度は高くありませんが、実は多くの人が悩んでいる身近なこの課題についてご紹介します。

生活の中で生じる「聞き取れない」状況

聞き取り困難は、静かな環境では問題がなくても、少し周囲がざわつくと支障が現れます。

  • 飲食店や飲み会
    周囲の声にかき消され、相手の言葉が断片的にしか入ってこない。「また聞き返してしまった」と落ち込むこともあります。
  • 職場での会議や打ち合わせ
    複数人の発言が重なると、誰が何を話したのかを整理できない。議事の大事な部分を逃してしまい、不安や焦りにつながります。
  • 家庭や友人との会話
    生活音やテレビの音があると、聞き間違いが増え、相手から「ちゃんと聞いてる?」と誤解されることも少なくありません。

このような経験は、本人にとって大きな心理的負担となります。

耳の検査では「問題なし」とされるのに、雑音があると会話が理解できなくなる。このような現象は「聞き取り困難(Listening Difficulties=LiD)」や「聴覚情報処理障害(Auditory Processing Disorder=APDと呼ばれています。

LiDとAPDは何が違うの?

まずは少し用語について整理しておきましょう。LiDは“状態”の呼び方、APDは診断名にあたります。

LiD(聞き取り困難)

APDほど専門的に診断されていなくても、「雑音があると会話が難しい」「聞き返しが多い」といった状態を広く指す表現です。一般的にはこちらの言葉のほうがイメージしやすく、診断を受けていない人でも「自分もそうかもしれない」と感じやすい概念です。

APD(聴覚情報処理障害)

「耳は聞こえるのに、脳での音の処理にうまくついていけない」ことを指す医学的な診断名です。特に医療や研究の現場で使われる用語です。

APD(聴覚情報処理障害)は「耳そのものの聞こえ」には異常が見られないため、通常の聴力検査だけでは診断できません。診断までには、複数の専門的な検査を組み合わせるのが一般的です。

【検査の流れの例】

  1. まず耳鼻咽喉科や聴覚クリニックで基本的な聴力検査を受ける
  2. 問題がなければ、大学病院や専門外来で上記のような詳細な検査を行う
  3. 最終的に総合的に判断して「APD」と診断される

【APDの診断に使われる代表的な検査】

  • 聴力検査(純音聴力検査)
    まず通常の聴力に問題がないことを確認します。APDの人は多くの場合、この段階では「異常なし」と出ます
  • 語音弁別検査(スピーチ・ディスクリミネーションテスト)
    静かな環境で単語や文章を聞いて、どれだけ正しく理解できるかを測定します。
  • 雑音下の聞き取り検査(スピーチ・イン・ノイズテスト)
    周囲に雑音を流した状態で言葉を聞かせ、正しく聞き取れるかを調べます。APDの人はこの場面で困難が顕著に現れます
  • 両耳分離聴検査(Dichotic Listening Test)
    左右の耳に異なる言葉を同時に聞かせ、どの程度理解できるかを確認します。脳の処理機能をみる検査です。
  • 時間処理の検査(Temporal Processing Test)
    短い音の間隔やリズムを正しく認識できるかを調べ、脳が音の時間的特徴を処理する力を測定します。

このように、APDは複合的な検査結果によって診断されます。

ただし、日本ではまだ「APD専門外来」を設けている医療機関が限られているため、診断を受けるのが難しい地域もあるのが現状です。

日常を支える工夫とツール

APDの診断が降りていなくとも、聞き取りが困難な状況が発生するとコミュニケーションに問題が出てきてしまいます

加齢による難聴でも、会話が困難になることで周りとの軋轢が生まれてしまい、抑うつ症状へ移行してしまうことも問題視されています。

幸い、近年は聞き取りを補助するためのツールや工夫が増えてきました。また、仕事などの社会生活では録音やAIによる文字起こしなどが普及してきており、利用に対して理解も深まってきました。

配信サービスやオンライン会議でのリアルタイム自動文字起こし機能の精度も日々上がっており、日本語でも不自由なく活用できるまで進化してきています。

1. 録音アプリを活用する

会議や商談では「その場で聞き取れなかったらどうしよう」という不安がつきまといます。そんなとき、録音アプリが大きな助けになります。

特に無料で使える「Voistand(ボイスタンド)」は、ワンタップで録音を開始できるシンプルさが魅力。録音データは自動で日付ごとに整理され、あとから探しやすいカレンダーUIの設計になっています。

さらに、クラウド保存に対応しているため、スマホの容量を圧迫する心配もありません

商談の内容を振り返ったり、会議の議事録を補足したりと、ビジネスの場での相性は抜群です。聞き逃しや誤解を減らし、「会話を確実に残せる安心感」が得られるのは、聞き取りに悩む人にとって大きな支えとなります。

2. 自動字幕や文字化機能を使う

オンライン会議やオンラインセミナーの自動字幕動画サービスの字幕機能は、聞き取りをサポートする心強い味方です。

テレビ番組もほとんどが字幕対応になっているため、デフォルトで字幕をつけた状態にしておくことで、「え? いまなんていってたの?」というような小さなストレスをためることなく過ごせるようになるでしょう。

3. 環境を整える

可能なら静かな場所を選び、相手の近くに座る、ゆっくり話してもらうという小さな工夫が理解度を大きく変えます。

もしあなたの周りで「聞き間違いが多い」「大勢の場で会話に入ってこない」といった様子の知り合いがいるなら、環境や距離を整えてあげてみるのも良いかもしれません。

理解を広げることの大切さ

聞き取り困難は「集中していないから」や「年齢のせい」だけで説明できるものではありません。本人にとっても、ただ「聞き漏らしている」と思われがちで、なかなか自覚しにくいという特徴があります。また、「聞き取れない」と打ち明けること自体に心理的なハードルがあり、言い出しにくさを抱える人も少なくありません。

そのため、周囲が小さなサインに気づいてあげることが大切です。例えば、何度も聞き返している、会議で発言が減っている、家族との会話で曖昧にうなずくことが増えたという変化は、聞き取り困難(LiD)や聴覚情報処理障害(APD)が背景にある可能性を思い出してください。

そして、同僚や家族のそうした様子に気づいたときは、「ちょっと静かな場所に移ろうか」「後で録音を一緒に聞こう」など、さりげないサポートが大きな助けになります。ほんの少しの配慮で、本人が安心して会話に参加できる環境を作ることができます。

社会全体でLiDやAPDへの理解が広がれば、本人が「自分だけの問題」と抱え込む必要がなくなり、より暮らしやすい日常につながっていきます。

まとめ

「聞こえているのに聞き取れない」という現象は、誰にでも起こり得る身近な課題です。

録音や字幕といったツール、そして周囲の理解を組み合わせれば、生活のストレスは大きく減らせます。特に録音アプリ「Voistand」は、聞き取りに悩む人だけでなく、ビジネスや学習の場で幅広く役立つ「備え」になるでしょう。

聴覚情報処理障害(APD)についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。
過去記事:もしかしたら、聴覚情報処理障害(APD)かも。「聞こえているけど、理解できない」とは?

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