スマートフォンの音声アシスタントやスマートスピーカーの普及で身近になりつつある音声検索。今後ますます、音声検索が人びとに浸透していくことは間違いないでしょう。
そこで、ここ数年の音声検索に関するさまざまな調査結果のうち、特に興味深い5つのデータをまとめまてみました。
なお、調査時点から状況が変わっている可能性がある点、アメリカなど海外の調査が中心である点はご了承ください。
1. 消費者の48%がウェブ検索に音声を使用
消費者のほぼ半数にあたる48%が、音声検索を通して一般的なウェブ検索を行っているそうです *1。
キーパッドやキーボードで言葉を入力するよりも、音声で検索したほうが断然速いですし、運転中や移動中でも安全に検索できます。このような利便性が急速に認識されたことのあらわれといえます。
2. 音声検索をよく利用するのは「運転中」で53%
音声検索をいつ使うのかというと、
- 運転中(52.8%)
- ほかのことをしているとき(21.3%)
- テレビを見ているとき(7.5%)
- 仕事中(7.4%)
- 料理中(5.5%)
- エクササイズや散歩中(2.6%)
- シャワーや入浴中(2.3%)
- 友人や家族といるとき(0.4%)
- ベッドにいるとき(0.2%)
とのこと *2。
すでに多様な場面で音声検索が利用されていますが、特にワイヤレスヘッドホンの普及が音声検索の利用を後押ししており、今後もその傾向が強くなると考えられます。
個人的には、子どもと会話をしているときに、わからない言葉があるとスマートスピーカーで音声検索をする、という使い方をよくしているので、友人や家族とのコミュニケーション時にあまり使われないことが意外でした。
3. 男性のほうが音声検索に積極的
音声検索を月1回以上利用するデバイスとして、
- 男性
-
- スマートフォン 66%
- パソコン 53%
- タブレット 49%
- スマートスピーカー 46%
- 女性
-
- スマートフォン 55%
- パソコン 30%
- タブレット 31%
- スマートスピーカー 26%
とのこと *2。
男性のほうが音声検索に積極的といえそうです。Amazonの日本国内を対象にした調査でも、同様の結果が出ています *5。
なお、スマートスピーカーの期待度と満足度については、男性はほぼ期待どおりの満足度であるのに対し、女性は期待度よりも満足度が高い傾向があります。つまり、便利さの実感は女性のほうが強いようです *5。
4. スマートスピーカーで調べるのは音楽と天気予報
スマートスピーカーでよく検索されるのは、
- 音楽(70%)
- 天気予報(64%)
- 楽しい質問(53%)
- オンライン検索(47%)
- ニュース(46%)
- 調べもの(35%)
- 移動場所(34%)
とのこと *3。
なお、別の調査によりますが、オンライン検索の目的は、
- ショッピングや取引のため(52%)
- 個人的な要件を知るため(48%)
- イベントや活動を知るため(42%)
- 店舗の場所を知るため(39%)
- カスタマーサポートを受けるため(38%)
とのことです *2。
日本でオンラインショッピングに対応しているスマートスピーカーは、Amazon Echoシリーズ(Amazon Alexa搭載機)が代表的です。たとえば「アレクサ、炭酸水を買いたい」と話しかけることで、商品購入を進めることができます。
5. スマートスピーカーの置き場所はリビングが52%
スマートスピーカーの置き場所としては、
- リビング(52%)
- 寝室(25%)
- キッチン(22%)
と、リビングに置く人が圧倒的に多いようです *4。
家の中でアクティブに活動するのはリビングにいるときが多いので、当然といえば当然ですが、寝室やキッチンに置く人もけっして少なくないことがわかります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今後、音声検索の動向はもちろん、日本ではまだまだ普及していない音声ショッピングや音声広告も要注目といえそうです。
また、家電とのIoT的な連携や、高齢者や子どもの見守り機能なども、スマートスピーカーに大きく期待されている役割です。
この記事が、音声検索の実態を知る一助になれば幸いです。
*1 Adobe Blog “Voice Trends & Statistics: What Designers Need to Know About the New Tech Boom”
*2 Social Media Today “106 Fascinating Voice Search Facts [Infographic]”
*3 Adobe Blog “Study Finds Consumers Are Embracing Voice Services. Here’s How”
*4 Think with Google “5 ways voice assistance is shaping consumer behavior”