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児童虐待

保護者が、その監護する児童(18歳に満たない者)の人権を著しく侵害し、その心身の成長及び人格の形成に重大な影響を与える行為のこと。

日本では、児童虐待防止法(正式名称「児童虐待の防止等に関する法律」)によって「何人も、児童に対し、虐待をしてはならない」と規定されている(第3条)。

なお、児童虐待防止法は、1933年(昭和8年)に旧法が制定。その後、1947年(昭和22年)に児童福祉法の制定に伴い、旧法が廃止されたが、2000年(平成12年)に深刻化する児童虐待の予防と対応策を示すために新法が制定。何度かの改正を経て、2019年(令和元年)には体罰禁止を明文化した改正法が成立した。

児童虐待の具体的な内容として、身体的虐待性的虐待ネグレクト心理的虐待が、児童虐待防止法第2条および厚生労働省のガイドラインで示されている。

      参考:児童虐待に関する国民の通告義務

      児童虐待防止法第5条第1項では「児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない」としている。

      また、同法第25条第1項では「要保護児童を発見した者は、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない」と規定している。

      このように、児童虐待の通告は国民の義務とされる。

      児童虐待の可能性については、確信がもてない場合もあるでしょう。この点、同法第6条第1項では「児童虐待を受けた児童」ではなく「児童虐待を受けたと思われる児童」と規定しており、可能性のレベルであっても通告しなければならないことになる。

      つまり、法律では、もし児童虐待の事実がなかったとしても、未然に防げればよしとされている。

      参考:児童虐待の定義(児童虐待防止法第2条)

      この法律において、「児童虐待」とは、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(十八歳に満たない者をいう。以下同じ。)について行う次に掲げる行為をいう。

      一 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。

      二 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。

      三 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。

      四 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

      参考:体罰の禁止(児童虐待防止法第14条)

      児童の親権を行う者は、児童のしつけに際して、体罰を加えることその他民法第820条の規定による監護及び教育に必要な範囲を超える行為により当該児童を懲戒してはならず、当該児童の親権の適切な行使に配慮しなければならない。

      2 児童の親権を行う者は、児童虐待に係る暴行罪、傷害罪その他の犯罪について、当該児童の親権を行う者であることを理由として、その責めを免れることはない。

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