外部の音声情報を大脳に送るための部位(外耳、中耳、内耳、聴神経など)のいずれかに障害があるために、聞こえにくい、あるいは聞こえなくなっている状態のこと。
聴覚障害の原因と難聴の程度
障害になった時期によって先天的と後天的に分けられる。
- 先天的
聴覚組織の奇形や、妊娠中に風疹などのウイルス感染が原因で聴神経系などが侵された場合 - 後天的
突発性の疾患や薬の副作用、頭部外傷、高齢化などが原因で聴覚組織に損傷を受けた場合
正常な聴力の人が感じる音の強さは0dB(デシベル)前後である。数値が大きくなるごとに難聴の程度が強くなり、30dB以上が「軽度難聴」、50dB以上が「中度難聴」、70dB以上が「高度難聴」、100dB以上が「ろう(聾)」とされる(70dB以上から身体障害者手帳の交付を受けられる)。
聴覚障害の種類
聴覚障害には大きく分けて3つの種類があるとされる。
- 伝音性難聴
外耳から中耳に障害があり、音が聞こえにくい難聴。常に耳栓をしているような、音が聞こえにくい状態が続いている。 - 感音性難聴
内耳から聴神経、脳にかけて障害がある難聴。音だけでなく言葉も聞こえづらくなる。加齢のために起こる老人性難聴は感音性難聴に該当する。 - 混合性難聴
伝音難聴と感音難聴の両方をあわせ持つ難聴。
聴覚障害者の種類
聴覚障害者には大きく分けて3つの種類があるとされる。
- ろう(聾)者
言語習得前に失聴した人。完全に聞こえない、ほとんど聞こえない、機器を使っても聞き取りが難しい、発話が難しいなど。
手話(日本手話)を第一言語としている人が多い。 - 難聴者
ある程度は聞こえるが、健常者に比べると聞き取りに困難がある人。発話がある程度できるなど。人工内耳などの機器を使うことで聞き取り能力を補っている人、口話で生活している人が多い。 - 中途失聴者
言語習得後に、病気やケガなど何らかの理由で聞こえなくなった人。完全に失聴しても話すことができる人が多い。