スマートフォンやスマートスピーカーの普及で、音声で検索したり、音楽やインターネットラジオを気軽に楽しんだりと、音声活用がいっそう身近になっています。
このような中、音声広告(オーディオアド)が新たな広告分野として注目されており、大幅な市場規模の拡大が予想されています。
そこで、今回は日本における音声広告の現状をまとめてみます。
音声広告の市場規模は?
デジタルインファクトの調査(2020年3月)によると、2020年の音声広告の市場規模は16億円、2025年には420億円になることが予測されています。
出典:デジタルインファクト調べ
2021年2月に電通から公表された「日本の広告費」によると、2020年の総広告費は6兆1,594億円(前年比88.8%)。新型コロナウイルスの影響で、経済が大きく減速したことにともない、総広告費が2009年のリーマンショック以来の前年割れとなりました。
このような状況にあっても、インターネット広告費は2兆2,290億円(前年比105.9%)と、マスコミ四媒体広告費の2兆2,536億円(前年比86.4%)に迫る規模にまで成長しています。
音声コンテンツの観点からは、縮小するラジオ市場の聴取者維持のために、インターネット配信サービス「radiko(ラジコ)」が立ち上げられ、クリアな音質、エリアフリー、タイムフリーといった特徴のもと、月間の利用者数が約900万人を超えるサービスに成長しています。
音楽聴き放題サービスの中では「Spotify(スポティファイ)」のユーザーが急増中です。世界で2.8億人が利用し、4,000万曲以上の音楽やポッドキャストが楽しめます。
オンデマンド音声サービスについても、たとえば朝日新聞が「アルキキ」という音声ニュース配信を開始。「Voicy」「stand.fm」「Spoon」などのボイスメディアや、Amazonの「audible(オーディブル)」というオーディオブックも人気です。
音声SNSの「Clubhouse(クラブハウス)」が生まれたり、TwitterやFacebookが音声チャットのサポートを発表するなど、SNSの世界でも音声コミュニケーションが注目されています。
音声広告の配信先は?
音声広告の配信先として、日本では次のサービスが代表的です。
radiko
日本の民放連加盟ラジオ放送局99局の音声コンテンツが配信されており、スマートフォンアプリのライブ配信とタイムフリーに広告出稿が可能です。
Spotify
無料ユーザーに対し、楽曲間のブレイクに最大30秒の音声広告を配信可能です。また、バナー画像、テキスト、URLなどを設定できます。
参考:Spotify Advertising「Spotifyのデジタル音声広告」
新聞社や放送局の配信コンテンツ
朝日新聞アルキキ、文化放送ポッドキャスト、ニッポン放送ポッドキャスト、J-WAVEポッドキャスト、ラジオNIKKEIポッドキャストなどに出稿できます。
なお、音声広告の世界では、「プログラマティック配信」が主流になっています。プログラマティック配信は、リアルタイムで広告枠の入札を自動的に行い、広告を表示するしくみです。
すでに検索連動広告やディスプレイ広告、SNS広告などで活用されている「リスティング」と同様のしくみと考えてよいでしょう。
まとめ
まだ日本では未対応ですが、Amazon Musicで音声広告の配信がスタートしているとおり、これからも音声広告の市場がますます拡大することは間違いないでしょう。
Voista Mediaでは、今後も音声広告の動向に注目しつつ、みなさんに役立つ情報をお伝えしていきます。録音アプリ「Voistand」も、ぜひご活用ください。