電話による特殊詐欺には、録音が大変有効である(「録音をする」と告げること自体にも効果がある)というデータがあります。
しかし、昨今では詐欺の手口はどんどん複雑化しています。自衛をするにも、最新の手口を常に把握しておくのは現実的には難しいですよね。
Googleは2024年11月13日、Android端末向けに、通話中にAIが詐欺行為を検出する「Scam Detection」と、悪意のあるアプリをリアルタイムで検出する「Google Playプロテクト」の2つの機能を発表しました。
現在、アメリカなど英語圏の「Pixel 6」以降のPixelスマートフォンでパブリックデータユーザー向けにテストを行っていますが、数か月以内にその他のAndroidデバイスにも導入される予定のようです。日本語対応はまだ先のようですが、固定電話を廃止し、スマートフォンへの一本化を考えているご家庭も多い中で、発展が期待される機能であることは間違いないでしょう。
今回はそんな「Scam Detection」と「Google Playプロテクト」は、それぞれどのような機能なのかをご紹介します。
会話パターンからAIが詐欺を検出「Scam Detection」
通話での詐欺を検出する「Scam Detection」は、デバイスのAIによって会話パターンが分析され、音声・振動・アラートで警告を表示します。
たとえば、電話口の人物が銀行員だと名乗り、「口座の不正利用の疑いがあるため、急いで資金を送ってください」と要求してきた際、デバイス内のAIが会話パターンから分析し、詐欺の可能性が高い場合に警告を出します。通話内容がデバイス外のサーバーへ送られる心配もなく、プライバシーが重視された設計になっています。
また、プライバシーの観点から、デフォルトでは詐欺検出機能はオフになっており、さらに通話中であってもオンオフの切り替えが可能な作りとなっているようです。
個人情報を抜き取るスパイアプリを検出「Google Playプロテクト」
Android端末を使う上で、アプリに関するセキュリティは敏感になっておきたい問題です。
iPhoneをはじめとしたiOSはアプリは基本的に「App Store」からしか入手できず、App Storeに登録されているアプリはAppleによって厳格な審査が行われています。一方、Androidはアプリ配信サイトの「Google Play」以外からもアプリをダウンロードできるため、誰の審査も加わっていない、個人情報を抜き取る機能が含まれたような悪意のあるアプリを、知らず知らずのうちにダウンロードしてしまう危険性があります。
Google Playプロテクトでは、アプリから機密性の高い情報を要求された場合に権限を管理したり、他のサービス間のデータのやり取りを監視し、危険な場合にアラートを通知します。有害なアプリが見つかった場合にはリアルタイムでアラートを出し、デバイスを保護するための対応を即座に促します。
「ライブ脅威検出機能」では、ユーザーの同意なく個人データや機密データを収集する可能性のある「ストーカーアプリ・スパイアプリ」に焦点が当てられており、アプリ内のコード分析だけではなくアプリの動作を隠そうとしているアプリや、こっそりダウンロードされている有害なアプリを検知します。
Googleはこれらのプロテクト機能について、「データを収集することなくユーザーを保護する『Private Compute Core』を通じて、プライバシーを保護する方法で行われます」と声明を発表しているようです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
連日詐欺や強盗といったニュースが増えていますが、身の回りでも覚えのない電話番号からの着信が増えてきたような気がします。
証拠として足がついてしまうため、詐欺師は録音や録画を好みません。
スピーカーフォンにしてICレコーダーを使うのがもっとも簡単ですが、不安がある場合はその場で個人情報を話さず、通話を録音し(通話の録音を行う旨を伝えるだけでも防犯につながります)、公的な機関や身近な信頼できる人へ相談しましょう。
強盗の下見の手口としての偽営業電話も増えているようです。ぜひこちらもあわせてご確認ください。