みなさんは「音読」と聞くと、どのようなことが思い浮かびますか?
たとえば「子どもの学習法」というイメージを持つ人も多いかもしれませんが、実はビジネスパーソンにとって、音読は非常に有益なトレーニングとしておすすめです。
本記事では、大人の音読習慣がどのような効果をもたらすのか、その具体的な効果や実践法をご紹介します。
音読で鍛えられる3つのスキル
1. 声の筋トレになる
ここ数年のリモートワーク普及によって、自宅でひとり黙々と仕事をするようになったという方も多いのではないでしょうか?
会議や私生活で久しぶりに人と会話をしたときに、「うまく話せなくなっていた」という経験をしている方にも音読はおすすめです。
実は人間の声帯や発声筋も、筋肉と同じように使わなければ衰えていきます。発声をしない時間が続くと、声がかすれたり、滑舌が悪くなったりと、「話しにくさ」を感じるようになります。音読は“声の筋トレ”として、声を出す機会が減った現代人にとって非常に有効です。
滑舌や声の通りもよくなるため、第一印象の向上にもつながります。営業職やマネジメント職のように「話すこと」が武器になる職種にとって、音読はまさに実践的なトレーニングです。
2. 思考力・理解力がアップする
音読を続けることで、自然と「発声」「抑揚」「間の取り方」といった話し方の技術が鍛えられます。これにより、プレゼンテーションや商談の場面で相手に伝わりやすく、説得力のある話し方ができるようになります。
また、声に出して読むことで、ただ目で追って読むよりも文章の構造や意味を深く理解できます。特にビジネス書や専門書を音読することで、内容の記憶定着率が高まり、読んだことをすぐに実践に活かしやすくなります。
さらに、音読は「目・口・耳・脳」を同時に使うため、脳全体を活性化し、思考力や集中力の向上にも効果的です。
3. メンタルの安定・ストレス軽減
音読にはリズムがあります。一定のテンポで言葉を発することで呼吸が整い、副交感神経が優位になります。これは瞑想や深呼吸と同じく、メンタルの安定に非常に効果的です。ストレスが多く、常に高い集中を求められるビジネスパーソンにとって、1日10分でも音読を取り入れることで、心のリフレッシュが期待できます。
特に、寝る前の読書として音読習慣を取り入れることで、デジタルデトックスを行いつつ、さらに音読によるリズムで副交感神経を優位にするという、安眠効果も狙えるかもしれません。
実際、音読によって心拍変動の指標の一つである「SDNN」というストレス指標が上昇したとの研究もあり、短時間でも心身の回復に役立つとされています。
※ SDNNの正常値は、一般的に40~80位の数値が基準とされており、40を下回る場合はストレスや疲労と考えられています。
どんなテキストを音読すればよいか?
音読用のテキストは目的に応じて選ぶと、効果がより高まります。まずは声に出して読んでいて心地よいと感じる文章を選ぶことが大切です。以下にいくつかのおすすめジャンルを紹介します。
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ビジネス書
論理的な構造を理解しながら読む練習になり、話し方やマネジメントスキル、自己啓発系の内容は実践にも直結します。 -
スピーチ原稿・名言集
偉人の言葉にはリズムと説得力があり、話し方のテンプレートとしても役立ちます。
プレゼンテーションや商談のトークの参考になることでしょう。 -
新聞の社説
語彙力や表現力の幅が広がるだけでなく、時事問題への理解も深まります。朝の音読におすすめです。
時事問題を知っておくことで、会議前のアイスブレイクや仕事のアイディアにもつながります。 -
小説や文学作品
感情の込め方や語りの緩急を意識することで、表現力が磨かれ、聞き手に伝わる読み方を学べます。
初心者であれば、エッセイやエンタメ系コラムなど、比較的簡単な文体のものから始めると無理なく継続できます。何よりも、自分の興味や環境に合ったテーマを選ぶことが、音読を習慣化するカギです。
ビジネスパーソン向け音読の実践法
音読を習慣にするには、無理なく続けられるスタイルを見つけることが大切です。次のステップを参考にしてみてください。
- ステップ1:朝 or 寝る前のルーティーンに組み込む
まずは起床後や寝る前に10分間だけ音読することをルーティーン化してみましょう。
1日のスタートの心身の切り替えや、1日を終える前の安眠につながることでしょう。 - ステップ2:録音して聞き直す
自分の音読を録音して聞き返すことで、発音やトーンのクセ、話すスピードを客観的にチェックできます。これにより、プレゼンの練習にもなります。
音読を継続するためには「完璧を目指さない」ことが大切です。噛んでも構いませんし、毎日でなくても効果はあります。むしろ「今日は3分だけ」でも継続することのほうが大切です。
また、声を出すことで喉が疲れやすい人は、無理をせず、声量や回数を調整しながら行いましょう。
AI録音アプリ「Voistand」では、録音データがカレンダー管理されるため、何日継続できたかが目に見え、モチベーション維持につながります。AIによる自動文字起こし機能もあるため、いかに滑舌よく音読できていたかの確認にも役立ちます。
参考:AI録音アプリ「Voistand」の自動文字起こし機能が便利。議事録やメモづくりに活用!
まとめ
音読は、特別な道具やスキルを必要としない、非常に手軽な自己成長法です。
スピーチ力の向上、思考力の深化、メンタルの安定という3拍子がそろった音読は、まさにビジネスパーソンのための“最強の習慣”と言えるかもしれません。
まずは今日から1日10分でも、音読習慣を始めてみてはいかがでしょうか?