ホーム ハラスメント アダルト広告が与える子どもへの悪影響。ウェブ、アプリ、SNSまとめてできる対処法を紹介

アダルト広告が与える子どもへの悪影響。ウェブ、アプリ、SNSまとめてできる対処法を紹介

この記事のサマリー

  • 閲覧履歴を元にした広告表示が困難になったことが、過激な広告が増えた要因に
  • 16歳未満のポルノ閲覧は将来の幸福度低下につながる研究結果あり
  • 低年齢でポルノに触れると性的価値観の歪みや性虐待につながりやすくなる
  • ポルノ中毒は行動や認知を制御する脳(尾状核)の萎縮につながる
  • 広告ブロックアプリやスマホの機能を利用し、自衛するのがベター

目次

胸が強調された3Dアバターのゲーム広告、購入に年齢制限のあるような漫画の広告、グロテスクで恐怖感を煽る漫画の広告……などなど、インターネットでの調べ物やSNSの利用中、ポルノ表現や暴力表現など目に余る広告に不快な思いをしたことがある方も多いのではないでしょうか?

2023年6月に電気通信事業法の改正法が施行されたことにより、サードパーティクッキーを利用し、ユーザーの閲覧履歴(趣味嗜好)に基づいた広告を表示させることが困難になりました。そのため、さまざまな企業が広告の出稿量を少なくした結果、全体の広告の数が減ることによって審査が甘くなり、さらには品質の低下が引き起こされました。過激な広告が増えた背景にはこのような経緯があったのです。

過激な広告が集中力や気分の低下を招くことは想像に容易いですが、実は子どもたちの成長にも多大な悪影響を及ぼします。
今回はこのような広告が与える子供達への影響と、アプリやスマートフォンの設定でできる防衛策を紹介します。

将来の幸福度低下や過激なポルノの消費に影響

DV(ドメスティックバイオレンス)や児童虐待の例示の中には、「無理矢理アダルトビデオ等を見せる」というものがあります。

肉体的な暴力や暴言に比べ、見過ごされ軽視されやすい内容ではありますが、虐待の例示に挙げられるほど、望まないポルノを見せられることで脳に強いストレスが与えられます。

2024年3月に米ユタ州立大学(USU)の研究チームが発表した研究結果では、「16歳以前からポルノを見ている人は、そうでない人に比べて、日常の生活満足度が低くなる」という内容が発表されています。

また、この研究で早期のポルノ接触は、

  • 成人後のポルノの使用頻度の高さに関連している
  • 虐待的または強制的な内容の過激なポルノをより多く受け入れやすくなる
  • 成人期に性交渉する人数が多くなっている

という結果も出ているようです。

つまり、16歳以前からポルノを見ている人は、過激なポルノを求める傾向が強まり、歪んだ性的価値観や性虐待が身近なものになってしまい、結果的に生活全体の満足度の低下につながることが明らかになりました。

この研究では、研究参加者の平均年齢が32歳であり、現代の子どもたちを取り巻く環境とよりポルノが身近なものとなっています。スマートフォンやインターネットの普及によって、現代の子どもたちはより早い時期から過激なポルノに接触する機会が増えているのです。

諸外国では、いわゆる「エロ広告」の規制も強くなっているようです。イギリスでは消費者保護の意識が強く、消費者から苦情があった広告は、学者・弁護士・広告業界経験者を含む広告基準協議会(ASA)が審議し、ガイドラインに沿っていない場合には広告主に撤去を命じるという流れが一般化しています。

ポルノの視聴は、脳にも影響を与えます。オンラインポルノの視聴時間が長い人ほど、大脳の奥深くにある尾状核(びじょうかく)が小さいという研究結果があります。

尾状核は、注意、記憶処理、問題解決、感情、痛み、言語理解などの働きに関する大切な部分です。尾状核が萎縮すると、怒りっぽくなる、落ち着きがなくなる、認知機能が低下するといった、社会生活で支障をきたす問題が出てきます。

こういった点からも、幸福度や生活満足度の低下につながることが伺えます。

有害な広告から子どもを守る方法

残念ながら日本ではまだ有害広告の規制が追いついておらず、自衛が必要な状況です。

広告をブロックするブラウザを使用する方法もありますが、SNSやゲームアプリの広告には対応しきれないため、注意が必要です。

1. 広告ブロックアプリやブラウザを使う

280blocker

おすすめは買い切り型の広告ブロックアプリ「280blocker」です。

App Storeの有料アプリランキングで3年連続1位の実績があり、通信量の節約にもつながると、利用者がどんどん増えているようです。難しい設定が不要で、アプリをダウンロードするだけでブラウジングを快適なものにしてくれます。

広告を許可するサイトの追加や、Safari向けにはMeta(Facebook)やX(旧Twitter)の追跡、アソシエイトのブロックなど、細やかな設定も可能です。

日本の広告に特化しており、800円の買い切りタイプながらも細やかなアップデートで最新の広告にもどんどん対応を進めている印象です。他の広告ブロッカーと比べ、高い広告ブロック率が人気の秘訣のようです。

ダウンロードはこちら:280blocker
※ 残念ながら、現在Android版の新規ダウンロードは停止しているようです。

BraveやVivaldi

iOS・Androidをはじめ、パソコンでも利用できるブラウザ「Brave」や「Vivaldi」も人気を集めています。

これらは、前述の280blockerとは異なり、SafariやGoogle Chromeのようなブラウザ型のアプリケーションです。無料で利用でき、スマホ、タブレット、パソコンなど複数の端末で閲覧履歴やブックマークの同期が可能です。

お子さんのスマホにインストールし、インターネットはこれらのブラウザを使うこと、としておくとよいでしょう(iOSではSafariのアイコンを、AndroidではGoogle Chromeのアイコンをホーム画面から削除しましょう)。

YouTube動画の広告もブロックしてくれるため、通信量の節約にもつながるでしょう。

ウェブサイトのブラウジングでは、広告ブロックによる表示崩れが発生することがあるという課題も挙がっているようですが、無料で利用できるため、コストパフォーマンスを重視する方におすすめのサービスです。

ダウンロードはこちら:Brave / Vivaldi

2. iOSのアクセスガイド機能

お子さんに自分のiOSを渡し、子ども向けアプリやYouTubeなどを利用させる際にぜひ使いたい機能が「アクセスガイド」です。

これは、ひとつのアプリケーションしか利用できないように制限する機能で、設定後はサイドボタンを3回押すだけでアプリに制限をかけられます(3回押したあと、画面に表示される「開始」をタップすると制限がかかります)。

以下のような事前設定が必要ですが、とても簡単です。

  1. 設定 > アクセシビリティ > アクセスガイドの順に選択、「アクセスガイド」をオンにする
  2. パスコード選択をタップし、「アクセスガイドのパスコード設定」をタップする
  3. パスコードを入力したあと、確認用に再入力します。
    (アクセスガイドの設定をFace IDまたはTouch IDで終了できるように設定することもできます)

子どもがスマホを利用しているときに、うっかり他のアプリを利用してしまったり、関係のないリンクを押してしまったり、といったことを防げます。小さなお子さんにiOSデバイスを利用させる際には、とてもおすすめの機能です。

まとめ

今回紹介したほかにも、広告ブロックに関するアプリはたくさん存在します。気になった方はぜひiOS、Androidそれぞれの環境で「広告ブロック アプリ」といった言葉で検索してみてくださいね。

このようなアプリが多く存在している背景には、インターネット広告の状況悪化があります。

電気通信事業法が改正された理由は、個人のプライバシーを守り、通信の秘密を保障すること、特にユーザーのデータを無断で収集して広告に使うことに対する規制が強化することです。

残念ながら、こういった法規制やガイドラインが強化されても、一部の広告業界やオンラインビジネスが、依然として人々を騙したり、搾取したりするような手法を用いて利益を追求している現実があります。すでに述べたとおり、性的な広告は子どもに悪影響を与えるばかりか、大人にもオンラインポルノへの誘引として働いてしまい、結果として多くの人の生活の質(Quality of Life)を下げる可能性があるのです。

AIによるパーソナライズが進み、レコメンド機能も精緻になっていく中で、無差別テロのように不快な広告を目にしてしまうことが当たり前の状況というのはとても悲しいことです。

本来、広告とは「必要としている人に商品やサービスを見つけてもらう」ためのラブレターのようなものであるべきものです。

過激な広告や詐欺まがいの広告ができるだけ減る方向で法規制が整備され、同時にテクノロジーが進化することを望むばかりです。

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