新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、テレワーク(リモートワーク、在宅勤務)が増えた人がきっと多いでしょう。
オンライン会議に参加した際、よく「声が詰まる」「声がかすれる」「息が切れる」「咳が出る」といった状態になる人はいませんか?
オフィスにいるときと比べて、テレワーク中は会話量がぐっと減りがちです。その分、いざというときに声がスムーズに出てこなかったり、少し話すと喉に違和感を覚えたり、といった人が多いようです。
それでは、喉や声の不調を防ぎ、オンライン会議で不快を与えない声を保つ方法を解説します。
喉や声の不調の原因は?
テレワーク中心の生活になり、声を発するための筋肉が衰えている人が多いようです、具体的には、
- 声帯(喉)
- 舌
- くちびる
- あご
などの筋肉です。
歩かないと足腰の筋肉が衰えるように、人と話さないと喉や口まわりの筋肉が衰えます。特に、ひとり暮らしでテレワークが中心の人は、「今日は誰とも話さなかったな」「声をほとんど出さなかったな」という日がきっとあるでしょう。このような状況が続けば、当然、筋肉は衰えてしまいます。
さらに、晩秋から冬に向かって気温や湿度が急激に下がり、空気が乾燥しがちに。喉の粘膜が乾きやすい分、声枯れや咳が起こりやすい季節になります。つまり、努めて喉や声の調子を保つ必要があるのです。
喉や声の調子を保つ5つの秘訣
それでは、喉や声の調子を保ち、声枯れや咳を防ぐ具体的な方法を紹介していきましょう。
1. 声を発する筋肉を衰えさせない
まず、声帯や舌などの筋肉を衰えさせないことが大切です。
- 歌を唄う
- 友だちと話す
- 早口言葉を日課にする
といったことを試してみましょう。
好きな曲を口ずさんでみたり、友だちとオンライン飲み会をしたりと、無理のない方法で声を発する機会を増やしてみてください。
なお、早口言葉は、滑舌や表情筋のトレーニングにもなります。詳しくは、マスク生活で口元が老化? 滑舌、表情筋、脳トレにもなる早口言葉にチャレンジ! を参考にしてみてください。
2. 室内の湿度を上げ、乾燥を避ける
冬場はエアコンや暖房によって室内が乾燥しがちです。加湿器を使って湿度を上げるとよいでしょう。加湿器がない人も、大きめのお皿やボールにお湯を入れたり、濡れタオルをかけたりすれば、加湿器の代わりになります。
なお、咳が頻繁に出るようであれば、ハウスダストが原因かもしれません。夏場は湿度が高く、床付近に落ちているホコリも、冬場には乾燥し、口元にまで舞い上がってくるからです。掃除機をこまめにかけ、室内を清潔に保ちましょう。
3. 飲み物やアメを手元に用意しておく
オンライン会議にあたっては、手元に飲み物を置いておき、声枯れを感じたときに飲むようにします。冷たい水ではなく常温の水や、コーヒーやお茶などの温かい飲み物のほうがよいでしょう。
喉が強く乾いているときは、アメ(のど飴など)を舐めるのも手軽で効果的です。筆者は『龍角散ののどすっきり飴』を愛用しています。
4. 鼻呼吸を心がける
口呼吸では、喉が乾燥しがちになることに加え、ウイルスや細菌などの感染症にかかるリスクが高まります。鼻呼吸を心がけることで、喉の乾燥を防ぎ、感染症のリスクを下げることができます。
口呼吸から鼻呼吸に変えるのはなかなかむずかしいのですが、筆者の経験上、「鼻で呼吸をしよう」と考えるのではなく、「ずっと口を開かないでいよう」と考えると、鼻呼吸に移行しやすいと思います。
また、マスクをするのも効果的です。マスクをしていると、口では呼吸がしにくいので、自然と鼻呼吸になるからです。室内では、マスクで鼻は覆わずに、口だけを覆えばよいでしょう。
5. 喉によいものを摂る
筆者は食べたいものを食べたい派なので、食餌療法はあまり好きではありませんが、もし喉や声の調子が悪い状態が長く続くのであれば、食べ物にも少し気を配ります。
喉によいといわれる食べ物は、はちみつ、大根、ハーブティー、玉ねぎ、生姜、ねぎ、れんこん、梨、カリン、金柑など。プロの歌手などの間でよく知られている「スロートコートティー(スロートティー、スロートコンフォートティー)」という、喉によいハーブティーもあります。
これらのうち、自分が好きなもの、入手しやすいものでけっこうですので、食事に取り入れてみましょう。
オンライン会議ではミュートをうまく使おう
オンライン会議中に、咳やくしゃみが出そうになったら、迷わずミュートにしましょう。
軽い咳払い程度であれば、口元に手をあて、横を向くだけでも大丈夫ですが、大きな咳やくしゃみは禁物。音声を素早くミュートにし、ほかの参加者に迷惑をかけないようにしましょう。
もし咳が頻繁に出る場合は、最初からミュートにしておき、発言するときだけミュートをオフにするとよいでしょう。
オンラインセミナーでは休憩やワークを入れよう
筆者は月1、2回ほど、オンラインセミナーで講師を担当しています。長さは1時間30分から2時間が多いのですが、基本的にずっと話し続けるので、喉の負担は相当なものです。
声を枯らさずに最後まで話し続けるコツとして、まず「休憩を入れること」があります。「喉がつらいな」と思っているのに話し続けると、ますます喉に負担をかけ、声が枯れてしまいます。
1時間に1回、5分程度の小休憩を挟み、喉を休めましょう。参加者も、ずっと話を聞いていると耳が疲れてきますので、小休憩はありがたいはずです。セミナーの冒頭で、「今日のセミナーは2時間ですが、途中で短めの休憩を挟みます」と伝えるとよいでしょう。
さらに、「みなさん、3分ほど考えてみてください」というミニワークやシンキングタイムをいくつか含めるのもよい方法です。セミナーそのものがインタラクティブになり、参加者満足が向上することに加えて、喉を適度に休める副次的な効果があります。
まとめ
これから冬本番に突入し、風邪などにもかかりやすい季節になります。
喉や声の不調は予兆を感じやすい分、対処しやすいはずです。
もし「ちょっと調子が悪いかな?」と思ったら、今回お伝えした方法で調子を整えてみてください。