Every Little Thingのボーカル、持田香織さんの声になれる「なりきりマイク」が注目されています。ニュース番組やインターネット記事で多数取り上げられているので、ご存知の方も多いでしょう。
以下、「なりきりマイク」で使われている技術や、実際に歌っている様子についてまとめます。
ヤマハが開発した「なりきりマイク」を支える技術
ヤマハが開発した「TransVox(トランスヴォックス)」は、歌声の分析・合成とAI(人工知能)を駆使し、人の歌声を別人の歌声にリアルタイム変換するという、「なりきりマイク」に搭載されている技術です。
- 歌声の特徴や歌い方の癖をAIに学習させることで、年代や性別を問わずどのような人の声でも特定の人の歌声に変換できる
- 人の歌声を瞬時に分析し、変換先の人の歌声を作り出す
- あらかじめAIが学習した歌手が、歌声を真似て歌い直すことで歌声を再合成する
というしくみで、リアルタイムでの歌声変換を実現したそうです。
「なりきりマイク」では、ELTの楽曲をAIに学習させ、持田香織さんの歌声の特徴や癖を把握し、リアルタイムでの歌声変換を行っています。
実際に「なりきりマイク」を使った様子
まずは、テレ朝newsの動画で、男性が「なりきりマイク」で歌っている様子を見てみましょう。
【誰でも「ELT持田香織」に…夢の”なりきりマイク”開発】
別人の歌声に同時変換し、誰が歌っても人気の女性歌手を再現できる技術が開発されました
▼新型コロナの影響で需要が減少したカラオケ店では、新たなサービスの導入で客足のさらなる回復を目指しています
※カラオケ音源協力:DAM
— テレ朝news (@tv_asahi_news) August 24, 2022
かなりうまく歌声が変換されていると感じます。
しかし、限界はあるようで、極度のハスキーボイスで知られるプロレスラーの本間朋晃さんが試してみたところ、だいぶ聞き苦しい歌声になってしまいました。
誰でも持田香織になれるマイクをハスキーボイスの本間さんが使った結果がやばいwwwwwwwww腹がちぎれるくらい笑ったwwwwwwwwwwww pic.twitter.com/CNYTL72ISD
— ⓞⓟⓔⓖⓘa.k.aクソリプラー (@ohaagi_official) August 25, 2022
ELTのギター、伊藤一朗さんのYouTubeチャンネル「ELT伊藤一朗いっくんTV」では、リリースに先立って「なりきりマイク」を体験する動画が公開されています。
動画内では男性と女性の歌声が聞けますが、やはり男性よりも女性が歌ったときのほうが、いっそう持田香織さんに近い歌声に聞こえます。なお、男性が歌う場合は「オクターブスイッチ」をオンにすると、1オクターブ上の歌声で出力できるそうです。
まとめ
ヤマハの「TransVox」を使えば、基本的にどのような人の歌声にも似せて変換できることになります。
過去記事 2019年を振り返る音声にまつわるニュース7選 で、NHKスペシャル「AIでよみがえる美空ひばり」を取り上げましたが、このときもヤマハの技術を使っていました。こういった取り組みの積み重ねが 「TransVox」の開発につながっていると考えられます。
TransVoxは実証研究の段階で、一般の人が体験できる「なりきりマイク feat. ELT 持田香織 スペシャルルーム」が、ビッグエコー渋谷センター街本店(東京)、浜松有楽街店(静岡)、梅田茶屋町本店(大阪)の3店舗で8月25日から10月11日まで期間限定で開設されています。
落語家の林家つる子さんが実際に体験されたようで、その様子がこちらです。
#ふらっと954 @flat954 #顔面真夏
持田香織さんの声になれる「なりきりマイク」!
こちらはビッグエコーにて実際に歌った様子。
ちなみにこの日10回目くらいのTime goes byで感情過多に。
ちなみにこの時の佐藤さんは、虚無。持田香織さんバージョンの落語も撮ってみたので、オマケにどうぞ笑 pic.twitter.com/pzhUS5WsGW
— 林家つる子 (@hayashitsuruko) September 6, 2022
興味のある方は、ぜひ体験してみてください。