みなさんは、家族や友人が運転する車に同乗している際、スマホの画面を見ていて「車酔い」を感じたことはありますか?
ご自身で感じたことはなくても、お子さんが車酔いをしやすい、といった方もいらっしゃるでしょう?
2024年9月にリリースされたiOS 18ではさまざまな機能が追加されましたが、その中のひとつに「車両モーションキュー」があります。これは、自動車など路上を走る車両に同乗者として乗りながらiPhoneを使用すると気分が悪くなる場合に、乗り物酔いの軽減につながる「モーションキュー(動く目印)」を画面上に表示する機能です。
車両モーションキューとは?
車両モーションキューは、画面の上下左右の端に表示されるアニメーションのドットパターンを、車の動きによって力のかかる方向に合わせて動かすことで、車酔いを軽減するものです。車内で前を向いて座っているときに最適に動作します。
iPhoneで車両モーションキューを設定する
iPhoneでの「車両モーションキュー」の設定方法は、次のとおりです。
- 設定から「アクセシビリティ」を開く
- 「動作」を開く
- 「車両モーションキューを表示」を開く
- 「自動」をタップ
これで、車両の動きが検知されたときモーションキューが「自動」で表示されます。オンにした場合はオフにするまで常に表示されることになりますが、特に理由がない限り「自動」にしておけばよいでしょう。
筆者が乗車時に車両モーションキューを実際に使ってみたところ、白など薄い色の画面のときには黒のドットパターンが、黒など濃い色の画面のときには白のドットパターンが表示されます。こういった点も行き届いている感じがしました。
なお、車両モーションキューが自動的にオンになるか、自分でオンにすると、画面上部にその旨が表示されます。車両モーションキューを素早く起動したい場合は、コントロールセンターに追加しておくとよいでしょう。
車両モーションキューをコントロールセンターに追加する
車両モーションキューをコントロールセンターに追加する方法は、次のとおりです。
- コントロールセンターを開き(画面右上から下にスワイプ)、下部の「コントロールを追加」をタップ
- 画面上部の検索ボックスに「車両」と入力し、「車両モーションキュー」が表示されたら、それをタップ
これでコントロールセンターに追加され、必要なときに素早く起動できます。
ご自分のiPhoneを子どもに使わせるときだけ「オン」にしたい、といった場合に役立つ方法です。
そもそも「車酔い」をする理由は?
一般的に、車に乗っている人の中でも「運転手」は車酔いをしにくいといわれます。これは、常に進行方向を見て運転操作を行っているため、視覚的な情報と三半規管で感じる加速・減速などの刺激が一致していること、次の動きが予測しやすいことが理由です。
同様の理由で、目の前の視界がひらけている助手席の人も車酔いをしにくいようです。
一方、視界が狭く、運転席や助手席ほどは体が固定されない後部座席に座っており、視覚的な情報と三半規管で感じる刺激が一致しない状況が続くと、車酔いをする可能性が出てきます。スマホ画面に見入っており、外の風景をまったく見ていない場合は、このようなズレがいっそう引き起こされやすいといえるでしょう。
つまり、車両モーションキューは、iPhoneの画面を見ている人に、車の動きを視覚的な情報として与え続け、三半規管で感じる刺激と一致させることで車酔いを軽減する、というしくみになっているのです。
まとめ
以上、iOS 18で追加された機能「車両モーションキュー」を解説しました。
もしお子さんが車酔いをしやすい場合でも、助手席に乗せることは安全性の観点から推奨されません。車内でご自分のiPhoneをお子さんに使わせる場合や、お子さん自身がお使いのiPhoneで「車両モーションキュー」を試してみてください。