最近、みなさんが普段使っているSNSやLINE、YouTubeで「投資に関する広告が増えたな」と感じませんか?
有名人の名前や写真を使った広告など、興味を引く内容になっており、騙される人が急増。
消費者庁、都道府県や市区町村が注意喚起をするまでになっています。
以下、どのような広告に注意すべきか、不安に思ったときはどうすべきかを解説します。
有名人や専門家の名前を騙った広告に注意
堀江貴文さん、前澤友作さんなどの起業家、高橋洋一さん、武田邦彦さん、森永卓郎さんなどの専門家の名前を騙った広告を、筆者は目にしたことがあります。これらの方々の写真を無断で使用し、あたかも本人が関わっているかのような広告になっていました。また、イーロン・マスク氏の名前や動画の切り抜きを使ったYouTube広告を見たこともあります。
具体例として、Facebookで出された前澤さんの偽広告には「前澤友作が無料投資教室を開きました」という情報とともに、「100万円で1億円を手早く稼ぐ方法」などと記載。広告をクリックするとLINEの友達登録に誘導されるしくみで、誘導先では暗号資産の取引や、投資名目の銀行振込などを持ちかけるやり取りが行われていたようです(その後、前澤さんはFacebookを運営するMeta社に対して、肖像権を侵害した広告や詐欺目的の広告の配信停止などを求めることに)。
また、武田邦彦さんは、自身が投資教室を無料で開催し、勧誘する広告がLINEに勝手に出されていたとの報告を受けて、Instagramで注意換気を行いました。
投資に関するLINEグループなどに注意
みなさんも、LINEグループやFacebookグループに自分が勝手に追加された経験があるでしょう。筆者は株式投資やFX投資、暗号資産に関するグループに勝手に入れられた経験が何度もあります。
セミナーや無料相談会を入り口にしたり、グループチャットで経験者を騙る人が巧みに誘ったりと、相手にお金を出させるように誘導します。結果として、1億円以上のお金を騙し取られた人もいるそうです。
警察庁によると、特殊詐欺のうち有価証券やFXなど投資名目の詐欺の被害は、2023年10月末までで前年の約8倍の221件、被害額は前年の10倍以上の26億円余りにのぼっています。
LINEグループでも、有名人や専門家の悪用や「なりすまし」が目立ちます。たとえば森永卓郎さんは、自身のLINEグループに見せかけた偽アカウントの被害に合ったとのこと。森永さんが講師のように見える写真付きのFacebook広告をクリックすると、LINEの投資グループへの入会コードを表示。LINEの投資グループの名前は「森永卓郎ゼミ」。入会すると、森永さんや森永さんのアシスタントを名乗るアカウントが「HEO」という存在しない暗号資産への投資を推奨。森永さんの名前を騙り、手数料などを取ろうとしてきたそうです。この偽広告によって、 仙台市に住む60代の女性が約460万円を騙し取られたことが確認されています。
登録業者かどうかをしっかりと確認する
国民生活センターによると、無登録の海外事業者による詐欺的な投資勧誘、若者や老人に対する詐欺的な投資勧誘、暗号資産(仮想通貨)に関する詐欺的な投資勧誘によるトラブルが目立ってきています。
たとえば、次のようなトラブルがあります。
- 海外に所在するとしている業者が、金融商品取引法に基づく登録を受けずに国内の消費者に対して勧誘を行い、トラブルとなる
- 金融商品取引法に基づく登録を受けていない業者(無登録業者)などが、セミナーやSNSを通じて若者や老人に「投資話」を持ち掛け、消費者金融などから借り入れをさせて投資させるなどし、トラブルとなる
- 暗号資産で海外事業者に投資をすると大儲けできると勧誘を行い、配当や預かった暗号資産の払い戻しに応じずにトラブルとなる
もし個別に投資勧誘を受けた場合には、業者の登録の有無なども確認し、興味がなければはっきりと断ることが大切です。
また、すでに取り上げたような有名人や専門家を騙った広告は無視すること、LINEグループなどに勝手に追加された場合はすぐに退会すること(もし通報機能があれば、通報すること)を心がけましょう。
もし、不安に思ったら消費生活センターなどに相談してください。
消費者ホットライン「188(いやや!)」番
※ 最寄りの市町村や都道府県の消費生活センターなどを案内する全国共通の3桁の電話番号です。
まとめ
投資詐欺に合わないために、
- 業者が無登録
- 必ず儲かる
- 元本保証
という場合には警戒すべきといわれます。
日本人は株式投資などに積極的な国民性ではなく、金融リテラシーが低いのは事実です。
自分は大丈夫と思っていても、配偶者やお子さん、ご両親など、身近な人が騙されないとは限りません。
家族団らんの際や実家に帰省した際に、「こういう話があるんだけど」と、SNSなどの投資詐欺広告に注意すること、そもそも必ず儲かる投資は存在しないことを、ぜひ話し合ってみてください。