ある者(個人または集団)が他の者に対して、精神的または肉体的な苦痛を与えること。イジメ、虐め、苛めとも表記される。
通常は学校内や児童・生徒同士の行為を指すことが多いが、職場や夫婦など大人の世界にも存在し、一部はハラスメントという言葉で表現される。また、特に諸外国では、年齢を問わず、人種差別によるいじめなども多い。
2013年(平成25年)に制定された「いじめ防止対策推進法」では、いじめを「児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう」と定義している(第2条第1項)。
また、世界保健機関(WHO)や国際労働機関(ILO)などの国際機関によれば、いじめとは、児童に限らず、「自尊心を損なわせ弱体化させることを目的とした、執念深い、冷酷な、あるいは悪意のある企てによる、長期に亘って繰り返される不快な行為」とされる。
参考:文部科学省による定義の変遷
文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の定義では、いじめを次のように定義している。また、参考として旧来の定義も掲載する。
なお、児童(小学生)や生徒(中学生・高校生)を前提とした定義であり、それ以上または以下の年齢が行う行為は含まれていない点に注意を要する。
現定義:2013年(平成25年)度(いじめ防止対策推進法の施行)以降
本調査において、個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は、表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うものとする。
「いじめ」とは、「児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものも含む。)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの。」とする。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。
旧定義:2006年(平成18年)度以降
本調査において、個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は、表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うものとする。
「いじめ」とは、「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。」とする。
なお、起こった場所は学校の内外を問わない。
旧定義:1994年(平成6年)度以降
この調査において、「いじめ」とは、「①自分より弱い者に対して一方的に、②身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、③相手が深刻な苦痛を感じているもの。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。」とする。
なお、個々の行為がいじめに当たるか否かの判断を表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うこと。
旧定義:1986年(昭和61年)度以降
この調査において、「いじめ」とは、「①自分より弱い者に対して一方的に、②身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、③相手が深刻な苦痛を感じているものであって、学校としてその事実(関係児童生徒、いじめの内容等)を確認しているもの。なお、起こった場所は学校の内外を問わないもの」とする。