2025年より、自己都合で退職した場合の失業保険(失業手当)が、現在の2か月後に支給開始から1か月後の支給に短縮される見通しです。
また、退職前に教育訓練で学び直しに取り組むなどした人は、7日間の待機後にすぐ受給できるようになるようです。
上記は、労働政策審議会(厚生労働大臣の諮問機関)の部会が検討している雇用保険制度の見直し案の一部であり、2024年中に結論が出るとのことです。
※ 現在でも、会社の倒産や解雇、パワハラやセクハラといった「会社都合退職」の場合にはすぐに受給が可能です。
しかし、退職を決める前にぜひ知っておきたいことがあります。
それは、転職に有利な時期と、退職前の準備です。
今回は、転職や退職を検討している人が、退職を決める前に知っておきたい情報をまとめました。
ぜひご参考にしてください。
年間を通した求人の量の差と特徴
実は、1年間の中で、求人が増える時期と減る時期があるのはご存知でしょうか?
新卒入社の場合は、ほとんどが4月の就業開始を前提に募集が行われますが、中途採用の需要には1年の中でも数回の波があります。
「勢いで退職したけれど、次の仕事が見つからない!」ということがないように、時期と傾向を知っておきましょう。
1月〜3月
1年のうち、一番求人が多いのがこの時期です。
冬の賞与(ボーナス)をもらってから退職をしたいという人の年末退職や、期末の区切りで3月末退職の人員の補充を目的とした求人が多く見られます。
また、人事異動や組織体制の見直しにともなう増員求人、採用予算の使い切りのための求人も多く、比較的余裕のある企業の求人が多い時期であるのが特徴です。
4月
多くの企業にとって期初であり、新体制での組織がスタートしたり、新卒教育などで忙しく、転職求人が冷え込む時期です。
ただし、「新卒採用や中途入社が急に辞めてしまった」などの理由で急ぎの求人が見受けられるため、すぐに採用が決まりやすい時期ではあります。しかし、急な退職が多く発生した職場は、いわゆるワケありの職場の可能性があるため、注意が必要ということもぜひ覚えておきましょう。
5月(GW明け)〜6月
大型連休の前には冷え込んでいた求人が、連休明けに増えるというのが中途採用求人の特徴のひとつです。
5月のGW明けがまさにそうで、この時期は求人が増えます。4月の新卒採用が計画通りに行かなかった場合に、第2新卒や中途採用を募集したり、4月の組織変更後の増員という場合もこの時期に募集することが多いようです。
また、下半期(9月)入社を見込んだ募集が出てくるのもこの時期です。この募集では、入社時期を相談できる可能性が高く、現在の職場の退職日を調整しやすくなります。
現在の職場の退職と次の会社への入社をスムーズに行いたい場合には、この時期に転職先を探すことがおすすめです。
7月〜8月(お盆前)
お盆休暇を前に多くの企業が慌ただしくなり、採用活動が後回しになりがち。
再び求人が冷え込む時期です。
8月(お盆明け)〜10月
1月〜3月と同様に、夏の賞与(ボーナス)後に辞めてしまった人員の補充や、下半期の人員調整のための求人が増える時期です。
特に、下半期の目標達成のための増員など、1月〜3月、5月(GW明け)〜6月、に比べて即戦力の募集や急募が多いという特徴があります。
11月〜12月
お盆前と同様、長期休暇に向けて採用活動が後回しになり、求人量が少なくなります。
お盆以上に多くの企業が休暇に入るため、1年間で最も求人量が少ない傾向があります。
退職前の準備
一般的に、退職前の1か月半〜2か月前には直属の上司に退職の意向を伝えるのがマナーといわれています。
また、「就業規則」によって退職する際に「何か月前に申し出が必要か」が明記されていることもあるので、まずは就業規則を確認しておきましょう。
有給休暇が残っている場合、残日数やまとめて消化が可能かどうかも調べておくとよいでしょう。
冒頭に書いたとおり、2025年に失業保険(失業手当)の給付が離職後1か月と短縮される見通しとなっているものの、2024年現在ではまだ7日間の待機を経て2か月後の支給です。
退職後の生活に困らないようにも、退職前に転職活動を行ったり、エージェントや派遣会社に登録しておくことをおすすめします。退職日から次の職場に雇用されるまでに間が空いてしまうと、年金や雇用保険などの切り替えも必要となるため、退社日と次の会社の入社日の調整には注意しましょう。
退職の理由がパワハラ・セクハラなどの場合
もし離職理由がパワハラ・セクハラ・カスハラなどのハラスメントである場合、「会社都合」として退職が可能かもしれません。
離職票上は「自己都合」と記載されていても、客観的に判断ができる証拠があった場合には、ハローワークで会社都合と判断してもらえることがあります。
長時間労働があった場合には、勤務表やタイムシートなど。
また、いつどのようなハラスメントがあったかの日時がわかる日記や、そのときの状況がわかる動画や音声なども有効です。
現在では、長時間録音が可能なボイスレコーダーやスマートフォンアプリが利用できるため、いつ起こるかわからないハラスメントへの対抗策としては音声データの録音がおすすめです。
iPhone、Androidのどちらでも使える無料の音声録音アプリ「Voistand」では、
- バックグラウンドでの長時間録音が可能
- スマホの容量を気にしなくてもよいクラウドデータ保存
- カレンダーUIなので、いつどこでの録音かがわかりやすい
- AIベースの自動文字起こし機能がある
など、他人からの暴言やハラスメントに悩まされている人に寄り添った機能が充実しています。
無料で利用できますので、ぜひお試しくださいね。
iOS版(App Store) | https://apps.apple.com/jp/app/id1544230010#?platform=iphone |
Android版(Google Play Store) | https://play.google.com/store/apps/details?id=com.voistand.app |
Voistandをさらに詳しく知りたい人は、ぜひ以下の過去記事をご覧ください。
過去記事:録音や音声メモに無料スマホアプリ「Voistand」を使おう。その7つのメリットとは?
また、ハラスメントを理由に精神障害を引き起こしてしまった場合には労災の認定となる可能性もあります。
心当たりがある方は、ぜひこちらもあわせてご覧ください。
過去記事:うつなどの精神障害の労災基準、「カスタマーハラスメント」「感染症リスク」について見直し
まとめ
終身雇用という考えが少なくなり、転職が当たり前の時代となりました。
また、15〜20年前の就職氷河期に比べ、人手不足といわれるほどに求人が増えている昨今では、新しい企業や職場へのチャレンジがしやすくなっています。一方で、制度をよく知らないままに退職してしまい、貯金を切り崩して転職活動を行っている人も少なくないようです。
将来的に転職を考えているという人も、いまは安定した職場で働いている人も、ぜひアンテナを高くし、雇用関係の法律や制度に関する情報を収集してみてくださいね。