ホーム ハラスメント 暴言、暴行、待ち伏せ、SNSでの中傷。令和の「カスタマーハラスメント事件簿」5選

暴言、暴行、待ち伏せ、SNSでの中傷。令和の「カスタマーハラスメント事件簿」5選

この記事のサマリー

  • パワハラやセクハラは減少傾向にある一方、カスハラは増加傾向にある
  • 店員の氏名がわかることで、ストーカー行為やSNS中傷を誘発するケースも
  • 現場の防衛策として、危険を感じたら音声を録音するのがおすすめ

目次

年々増え続けているカスタマーハラスメントカスハラ)。

日本では「お客様は神様です」という言葉が独り歩きし、あるいは自分に都合よく解釈する人が少なくなく、接客業で働く店員やスタッフに対して高圧的な態度をとったり、不当な要求をしたりする人が後を絶ちません。

ここ数年、パワハラやセクハラは減少傾向にある一方、コロナ禍の影響もあってか、カスハラは増加傾向にあるのが実情です。実際、Twitterのハッシュタグ「#カスハラ」を見ると、さまざまな話題を目にします。

カスハラ全般については お客「役立たずなバカが! トップを呼べ!」……カスハラ客から従業員を守る理由と方法 で、カスハラを含む職場のハラスメントの実態調査については 令和2年度「職場のハラスメントに関する実態調査 報告書」の注目ポイントを解説 で詳しく説明していますので、あわせてお読みください。

それでは、令和時代に入ってから起こった5つのカスハラ事件を見ていきましょう。

1. ICカードが切符投入口に入らず逆ギレし、駅員に暴力

70代の男性が、駅改札口でICカードを切符投入口に入れようとし、駅員がICカードを読み取り部にタッチするように促したところ、改札口を出たところで突然怒り出し、対応した駅員の右胸を殴打したそうです。

駅員は身の危険を感じ、110番通報を行ったとのこと。

ほか、駅係員へのカスタマーハラスメントが、以下の記事で複数報告されています。

参考Yahoo!ニュース「ICカードが切符投入口に入らず逆ギレ…駅係員への理不尽な暴力、国交省が公表」

みなさんも、天候や事故などで電車が大幅に遅延しているとき、一部の客が駅員に詰め寄る姿を目にしたことがあるでしょう。しかし、その駅員に落ち度があるわけではなく、責任をしつこく追及するのはお門違いです。

このような行動をとらないように、私たち一人ひとりが心がける必要があるでしょう。

2. 接客スタッフの「名札」で個人を特定。待ち伏せやSNS中傷も

コンビニでアルバイトをしている主婦が、常連の男性客から受けたカスタマーハラスメントです。

名札を見て名字で呼ばれるようになり、レジで対応する度に得意料理や子どもの有無を聞かれるようになったとのこと。客の態度はどんどん大きくなり、外の掃除をしているとき、タバコの吸い殻をわざと捨てて、「吸い殻を拾え」と言われたことさえあるといいます。

参考弁護士ドットコムニュース「接客スタッフの『名札』もとに、ネット中傷やつきまとい 表示簡素化の動きも」

特に小売店やサービス業では、個人への手紙プレゼント待ち伏せ個人宛の電話SNSでの誹謗中傷など、実にさまざまなカスタマーハラスメントが起こりえます。名札に氏名がフルネームで記載されていると、その人の個人情報が探られ、ストーカー行為やSNSでの迷惑行為を誘発する可能性があります。

したがって、名札には名字だけを記載したり、役職名(パートや店長など)を記載したりといった対策を行っている店舗もあるそうです。また、意外な落とし穴ですが、レジ担当者の氏名がレシートに印字されており、そこから個人情報が探られるケースもあります。

店舗を運営している方、接客業の方は、名札で名前を示すことで、お客さんに信頼感や親近感を抱いてもらえるという利点がある一方、上記のようなリスクがあることも理解しておきましょう。

なお、コンビニや飲食店、小売店の中には、スタッフの安全確保やSNSでの誹謗中傷から守るために、仮名(ニックネーム)やストアネームを認めているところもあります。有名どころでは、スターバックスやAppleストアがそうです。

参考NEWSポストセブン「接客業の名札は本名であるべきなのか 好きな名前選ばせるコンビニもある」

3. 配達ドライバーに消毒スプレーを噴射。さらに会社に抗議の電話まで

コロナ禍ならではのカスタマーハラスメントです。

ある配達ドライバーは、宅配先でいきなり消毒スプレーを噴射され、目に入ったので痛みを訴えたところ、逆にそれは客へのクレームだといって会社に抗議の電話を入れられたとのこと。

また、愛媛県の小学校で、長距離トラックドライバーの子どもに登校しないよう要請していたことが発覚したり(その後、運送会社からの抗議で学校側は謝罪。子供たちも登校できるように)、山形県ではドライバーの子どもが入学式への出席自粛を求められた事例もあったそうです。

参考Yahoo!ニュース「トラックドライバーへの『コロハラ』の実態 消毒スプレーをかけられるケースも」

医師や看護師など医療従事者のお子さんであれば、このような不当な要求がなされたでしょうか。

トラックドライバーや配達員がいなければ、世の中の物流の多くが立ち行かなくなるはず。ましてや、コロナ禍で自身の感染リスクに怯えながら社会を支えてくれているのであり、一定の敬意をもって接するのが当然と考えます。

4. 弁当店でカスハラ事件が発生。深夜の酔っ払い客2人が暴言を連発

東京都内の弁当店で起こったカスタマーハラスメントです。

深夜に酔っ払った男性客2人が訪れ、惣菜を購入。店員に電子レンジで温めるように依頼したところ、新型コロナ対策で使用禁止になっていることを伝えると、男らは、
「お前、態度悪すぎるぞ
「だからそんな(弁当屋の)仕事してんねん、アホ
「俺、お前の年収、1か月で儲けてるから、クズ
といった暴言を連発。

さらに、大声で怒鳴ったり、硬貨を投げつけたりといった行為に及びました。

店員は「お客さんじゃないんで、出て行ってもらえますか」と反論。この弁当店は、万引防止の目的で数年前から店内の様子をYouTubeでライブ配信していたことから、事件がまたたく間に明るみに。男らは後日、謝罪に訪れたとのことです。

実際の映像の一部はこちらです。

参考bizSPA!フレッシュ「『お前、態度悪すぎ』お客様は神様?悪質な”カスハラの実態”と、その対策」

5. この無能、税金泥棒。住民からの悪質電話に苦しむ県庁職員

ある県庁で正規職員として働く30代の女性は、2020年夏に新型コロナワクチン行政の部署に配属。そうすると、住民から大量の苦情電話が鳴り止まず、毎日のように「税金泥棒」「無能」などの言葉を浴びせられたといいます。

トイレにもなかなか行けないほどひっきりなしに電話がかかってきて、長いときは1時間半も電話口に拘束されたとのこと。

専用のコールセンターもあったそうですが、所属部署に直接かかってきた電話には対応せざるを得えず、本来の業務にも支障が出て毎晩遅くまで働くことになったそうです。

参考「この無能、税金泥棒」住民からの悪質電話に苦しむ自治体職員、1日中鳴り続けトイレにも行けず

地方公務員や公共民間労働者を対象とした自治労(全日本自治団体労働組合)の2021年のアンケート調査によると、過去3年間に迷惑行為や悪質クレームなどを受けたことがある職員は約半数(46.0%)です。

このうち、眠れなくなった人が21.6%、休職や退職を考えた人がそれぞれ7%、うつ病や統合失調症などになった人が2.1%、休職した人が0.6%いたそうです。

公務員というと、やっかみ半分の感情を抱いたり、居丈高になったりする人がいますが、それらは不当であり、公務員の仕事にも大変な面があること、住民からの悪質クレームに苦慮している担当者もいることを理解しましょう。

まとめ

さまざまな立場の人が、さまざまなカスタマーハラスメントを受けていることをご理解いただけたでしょうか。

会社や組織として、カスタマーハラスメントへの対策をいくら万全にしても、現場の社員や職員、スタッフは実際に被害を受けかねません。個人の防衛策としては、危険を感じたら音声を録音すること、できるのであれば、その事実をお客さんに伝え、冷静さを取り戻すように促すことが有効と考えます(スマートフォン向け録音アプリとして「Voistand」をおすすめします)。

最後に、UAゼンセン(全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟)製作の動画「悪質クレーム対策★『僕にも家族がいて、人生があります。』」を紹介します。

すでに取り上げた事例のように、この動画で描かれているよりも酷いカスタマーハラスメントがあるはず。

この記事が、働く立場、客の立場の両方から、カスタマーハラスメントをあらためて考えるきっかけになれば幸いです。

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