ホーム ハラスメント 秘密録音はデータの取り扱いにも要注意! 音声データの証拠能力と、使用上の注意点

秘密録音はデータの取り扱いにも要注意! 音声データの証拠能力と、使用上の注意点

この記事のサマリー

  • 民事訴訟において、秘密録音による音声は原則として証拠として認められている
  • 秘密録音と盗聴の違いは、録音した人が当事者か第三者かによる
  • 裁判の証拠として提出する場合には、内容を書き起こした反訳書の提出も必要
  • 秘密録音には、長時間録音や自動文字起こしが可能なVoistandがおすすめ

目次

ハラスメントやDVなどの証拠集めを目的として、秘密録音をする場合には「音声データの取り扱い」に注意が必要です。

スマホに標準搭載されている録音アプリ(iPhoneの場合は「ボイスメモ」)には、デフォルトの状態ではスマホ本体にデータが保存されます。このタイプのアプリの欠点は、秘密録音で長時間録音が必要なケースでは、スマホの容量が足りずに「肝心なところで録音が終わっていた」という状況が起こりえることです。

また、裁判所に証拠を提出する場合には、録音データをそのまま提出するだけではダメなようです。

そこで今回は、証拠としての録音データの活用ポイントや、長時間録音になりやすい機密録音にもおすすめの無料録音アプリについてまとめしましたので、どうぞご覧ください。

秘密録音の音声データは証拠になるのか?

秘密録音は無断録音とも呼ばれ、相手の了承なく録音したデータです。
同義的に使われがちな「盗聴」と異なる点は、録音者が当事者か否かです。

  • AさんとBさんの会話を、Aさんに確認せずにBさんが録音する場合は「秘密録音」
  • AさんとBさんの会話を、AさんとBさんに確認せずにCさんが録音した場合は「盗聴」

このように区別されています。

秘密録音について、プライバシーや機密情報などの点が気になるところではありますが、結論として民事訴訟では原則、証拠能力が認められています

この点について、過去記事で詳しく解説しています。

法律実務としても、反社会的な手段で録音した場合などを除いて、秘密録音で収集した音声データは証拠能力があると考えられています。脅しによって話させた内容や、不法侵入によって盗聴した場合などは、証拠能力が否定される可能性があります(特に、刑事訴訟の場合は「違法収集証拠排除法則」があることに留意)。しかし、このような明らかに不当な手段で録音した会話でない限り、証拠能力が認められる可能性が高いのです。

過去記事: 秘密録音と盗聴の違いとは? 違法性や音声データの証拠能力など、気になる点を解説

つまり、次のような場合には、音声データの証拠能力は認められない可能性が高いのです。

  • 著しく反社会的な手段を用いて人の精神的・肉体的自由を拘束するなど、人格権侵害を伴う方法によって採集された場合
    脅迫や暴力、不法侵入などの犯罪的な行為によって得た音声です。
  • 諸般の事情を総合的に考慮し、当該証拠を採用することが訴訟上の信義則(民事訴訟法第2条)に反する場合
    たとえば大学職員のパワハラの裁判において、「審議の非公開・委員の守秘義務・録音の禁止」の決まりがある学内のハラスメント防止委員会の審議の音声を匿名の第三者が録音し、学内便で送付したという事例があります。委員会の運用を守らずに録音されたものであること、録音内容に証拠価値(証拠が裁判官の心証に影響を与える度合い。証明力)がないとされ、証拠能力なしとされたようです。

参考:庶民の弁護士伊藤良徳のサイト「録音した証拠と民事裁判」

録音データを証拠として使用する場合の注意点

録音データを裁判の証拠として提出する場合、録音データ全体を提出するほかに、内容をすべて書き起こした反訳書(はんやくしょ)をあわせて提出する必要があります。裁判所からは、反訳書の方を枝番1、録音を枝番2と指示されることが多く、反訳書を本来の書証(裁判において主張している事実を証拠づける書面のこと)として扱われることが多いようです。

音声データの提出は裁判所の再生機器の問題で事前に協議が必要で、以前はテープでの提出が多かったようですが、最近では、拡張子が「mp3」のファイル(wmv、wavなども可、mp4は不可などの決まりあり)をCDまたはUSBメモリーで提出など、裁判所ごとに決まりがあるようです。

反訳書は反訳業者に依頼をすることもできますが、1時間の録音で1万円以上の料金(業者や納期により多少ばらつきあり)が発生します。また、反訳を第三者に依頼した場合には肝心な部分が「聞き取り不能」となってしまっていることも多いようで、最近では当事者の反訳をもとに、弁護士事務所にチェックなどの協力を得た上で裁判所へ提出することもあるようです。

反訳書類の提出は必要不可欠のため、録音の際には文字起こしをしやすい方法を選ぶのがおすすめです。

また、秘密録音をしていることを相手が知った場合に、関係性の悪化や録音の継続が難しくなってしまうことがあります。

最近ではスマホで録音する方も増えてきたようですが、録音済みのデータがスマホ本体に記録されている場合には、アプリを削除した場合にデータも消えてしまう場合があります。

もしもの時に備え、バレにくいようバックグラウンド録音が可能なアプリを使いし、録音済みのデータはクラウドなどにバックアップをとっておくこともおすすめです。

長時間録音に向いている無料アプリ

いつ起こるかわからないハラスメント時の秘密録音には、まず長時間録音ができることや、「それがいつ、どこのデータなのか」の振り返りが楽なものを選ぶとよいでしょう。

無料ではじめられる、iPhone、Androidのどちらでも使える音声録音アプリ「Voistand」では、

  • バックグラウンドでの長時間録音が可能
  • スマホの容量を気にしなくてもよいクラウドデータ保存
  • カレンダーUIなので、いつどこでの録音かがわかりやすい
  • AIベースの自動文字起こし機能がある
  • 過去の音声データの取り込みや文字起こしが可能

など、他人からの暴言やハラスメントに悩まされている人に寄り添った機能が充実しています。

無料で利用できますので、ぜひお試しくださいね。

iOS版(App Store) https://apps.apple.com/jp/app/id1544230010#?platform=iphone
Android版(Google Play Store) https://play.google.com/store/apps/details?id=com.voistand.app

Voistandをさらに詳しく知りたい人は、ぜひ以下の過去記事をご覧ください。
過去記事:録音や音声メモに無料スマホアプリ「Voistand」を使おう。その7つのメリットとは?

まとめ

以上の通り、証拠として録音データを使用する場合、録音を行うだけではなく注意すべきポイントがあります。

裁判を進める場合は、証拠提出のほかにもさまざまな資料提出などに追われることになります。少しでもスムーズに進められるよう、事前に対応が必要なポイントを確認し、手間を省けるツールがあれば積極的に利用してみましょう。

バックグラウンド録音、録音データのクラウド保存や文字起こし(反訳)などの面で、ご紹介した音声録音アプリ「Voistand」がきっとお役に立つはずです。

なお、反訳書の作成にあたり、依頼先を探している方は、お問い合わせフォーム からご相談ください。

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