ホーム ハラスメント ハラスメント被害者をさらに傷つける「セカンドハラスメント」。周囲ができる5つの「D」とは?

ハラスメント被害者をさらに傷つける「セカンドハラスメント」。周囲ができる5つの「D」とは?

この記事のサマリー

  • 被害者が、周囲からさらに追い打ちを受けるのが「セカンドハラスメント」
  • ハラスメント発言の多くは価値観の偏りが原因で、誰にでもしてしまう可能性が
  • 第三者が話題を変える、注意をするなどでハラスメントが食い止められる場合も
  • ハラスメント相談窓口が正しく機能しているかを、継続的に精査する必要あり

目次

2023年4月1日で、中小企業に対する「パワハラ防止法」の適用開始(職場でのパワハラ防止措置の義務化)からちょうど1年が経過します。

あなたの会社ではハラスメント対策や職場環境に、大きな変化はあったでしょうか?

最近では「セカンドハラスメント」という言葉をよく聞くようになりました。
これは「ハラスメントを受けた人が、周囲から二次被害を受けること」を指します。

今回は、セカンドハラスメントに焦点を当て、具体例や対応策を解説します。

相談窓口を作ってからが、要注意。
絶対に気をつけるべき「セカンドハラスメント」

多くの企業がハラスメント相談窓口などの仕組みを設ける中で、ぜひ知っておきたいのが「セカンドハラスメント」です。

セカンドハラスメントの意味は前述しましたが、上司や同僚といった周囲からさらに損害や精神的追い打ちを受けることであり、被害者の心を深く、大きく傷つける行為なのです。

セカンドハラスメントの具体例

次のような行為が、セカンドハラスメントに該当します。

  • 加害者ではなく、被害者が異動させられた
  • 窓口に相談をしたことが、加害者に伝わった
  • 「あの人(加害者)がそんなことをするはずない」と信じてもらえなかった
  • 関係のない周囲の人に「ハラスメントの相談をしている」ということをバラされた
  • 「(ハラスメントを受けたのは)断らないからだ」と責められた
  • セクハラを受けたのは、被害者の服装や外見が理由だといわれた

このほかの例としては、セクハラ被害者に「あなたが誘惑したのでは?」「なぜ二人っきりになったの?」という言葉や、パワハラ被害者への「気にしすぎでは?」という言葉、「あの人、昔よりは丸くなったよ」といった、慰めのつもりでかけた言葉も被害者の心を深く傷つけてしまう可能性をはらんでいます。

相手を頼って勇気を振り絞り、相談をした被害者が、もしセカンドハラスメントが該当するような言葉をかけられたならば、二度とその人に相談をすることはないでしょう。ハラスメント相談窓口の担当者がこのような発言をし、うやむやにして終わらせるような人であれば、表面上はハラスメント相談件数は減っていくかもしれませんが、社内の自浄作用は期待できません。ひいては、離職率の増加や優秀な人材の離職などのかたちで、会社の力がゆるやかに、しかし確実に落ちていくことになるかもしれません。

また、人は慣れる生き物ですから、相談窓口の担当者がハラスメント対応に慣れていくほどに、セカンドハラスメントの可能性が増加する恐れがあります。そのため、相談窓口を設置したから安心、というわけではなく、きちんと機能しつづけているかを継続的に精査する必要があるのです。

ハラスメント被害を知ったら。
周囲が気を配りたい5つの「D」

それでは、ハラスメント被害を目にした場合や相談をされた場合、あなたはどのように行動しますか?

周囲がサポートできるハラスメント対応で、覚えておきたい5つの「D」があります。
被害に遭っている人を救えるのは、言葉より何より行動です。

ぜひ頭の片隅に入れておいて、いざというときに実践してください。

1. Distract(ディストラクト)/ 注意をそらす

何となくハラスメントっぽい雰囲気になってきたときに、まったく関係のない話題を振りることでその場の空気を変える方法です。

ハラスメントの多くは、相手が嫌がる話題だと加害者側が感じていない、無意識の場合がとても多いものです。悪気はなくても相手を傷つけてしまう発言は、偏った価値観や考え方が原因になっていることがあり、アンコンシャス・バイアス(無意識バイアス)と呼ばれます。

  • 「恋人はいるの?」
  • 「結婚はするの?」
  • 「女子力低いね」
  • 「男なのに」

普通の会話の中での何気ない一言かもしれませんが、投げかけられた方が気分を害する可能性のある言葉です

どのように話題に気をつけるべきかは「ハラスメントを挽回する大人のマナー」に関する過去記事で、話題の変え方は「ハラスメントトークを切り抜ける方法」に関する過去記事で、詳しく紹介しています。あわせてご参照ください。

過去記事:うっかり失言でシラけムードに! ハラスメント発言を挽回する大人のマナーとは?
過去記事:縁を切れない相手のハラスメントトークはこうやって切り抜けろ! すぐに使えるキラーテクとは?

2. Delegate(デレゲート)/ 第三者に助けを求める

自分で行動を起こすのが難しい場合や、同じ部署ではないなど相談者の近くにいることができない場合には、第三者に助けを求めるのも手段の一つです。

しかし、ここで慎重にならなくてはならないのは、被害者にとって「勝手にバラされた」という状況にならないように配慮すべきという点です。たとえば、被害者が自分の部署とは異なる場合などは、「直属の上司に伝え、助けになってもらえるよう働きかけてもよいか?」という点は、被害者と事前に意識を合わせておくのがよいでしょう。

3. Delay(ディレイ)/ 後からケアをする

「さっきは嫌な思いをしなかった?」など、第三者が味方になってあげることも、被害者を救うことにつながります。

ハラスメント被害者は「自分の気にしすぎだろう」「反論できない自分が悪い」など、自責を問うてしまうことも少なくありません。すぐそばに味方がいるということがわかるだけでも、心理的負担はグッと減るため、その場ですぐに行動を起こせなくても、あとから寄り添ってあげるとよいでしょう。

4. Direct(ダイレクト)/ 直接介入する

第三者から「それはハラスメントですよ」と加害者にビシッと伝える。一番難しいのですが、被害を止める非常に有効な手立てです。

いわゆる現行犯逮捕のため、加害者側もその場では「ただの冗談だよ」などと誤魔化すかもしれませんが、それ以上の言い訳は難しく、今後の被害拡大を防ぐことにつながるでしょう。

5. Document(ドキュメント)/ 記録を残す

もしハラスメントが常習化しているのであれば、音声や動画を記録として残すことが非常に有効です。

ハラスメント加害者を訴えるという場合や、被害者が会社都合で退職したい場合にも、とても役立つでしょう。ハラスメント被害者は、ハラスメントに耐えかねて退職してしまうケースが少なくありません。自己都合での退職と会社都合での退職には、失業保険の受給開始に3か月以上の違いがあります(会社都合での退職の場合、最短7日で受給が開始)。

相談を受けた際は、被害者自身に記録を残すようにアドバイスをしたり、もし本人が自分で記録に残すのが難しい場合は、被害者のプライバシーに配慮した上で、周囲の人が録音や録画を行う方法もあります。

有効な証拠となる記録の例は、次のとおりです。

  • いつどのようなハラスメントがあったかという記録(日記)
  • 長時間労働の記録(日報やタイムカードなどでも可)
  • 録音データ
  • 録画データ

パワハラやセクハラの場合には、客観的な証拠としては録音や録画が一番確実といえますが、動画で残すのはなかなか難しいかもしれません。

現在では、長時間録音が可能なボイスレコーダーやスマートフォンアプリがあるため、いつ起こるかわからないハラスメントの対抗策としては音声データの録音がおすすめです。

iPhone、Androidのどちらでも使える無料の音声録音アプリ「Voistand」では、

  • バックグラウンドでの長時間録音が可能
  • スマホの容量を気にしなくてもよいクラウドデータ保存
  • カレンダーUIなので、いつどこでの録音かがわかりやすい
  • AIによる自動文字起こし機能がある

など、他人からの暴言やハラスメントに悩まされている人に寄り添った機能が充実しています。

無料で利用できますので、ぜひお試しくださいね。

iOS版(App Store) https://apps.apple.com/jp/app/id1544230010#?platform=iphone
Android版(Google Play Store) https://play.google.com/store/apps/details?id=com.voistand.app

Voistandをさらに詳しく知りたい人は、ぜひ以下の過去記事をご覧ください。

過去記事:録音や音声メモに無料スマホアプリ「Voistand」を使おう。その7つのメリットとは?

まとめ

人の数だけ価値観や考え方に違いがあり、無意識下の価値観の偏り(バイアス)によって人を傷つけてしまう可能性は誰にでもあります

ハラスメント防止のための法律がいくら作られても、相談窓口を設けたりケーススタディな社内研修をしたりしても、それらだけではハラスメントがなくなるものではありません。一人ひとりが言動に気をつけ、周囲に配慮することが不可欠です。

周囲の配慮は、必ずハラスメント被害者に勇気を与えるはずです。

ハラスメントに対する毅然とした周囲の行動は、深刻な被害を未然に食い止めるだけではなく、被害者自身が加害者にきっぱりと「ノー」を伝えることや、加害者が自らを振り返って反省することにつながるかもしれません。

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