3月になりました。例年なら、めぐり来る春を待ちかねて、人びとの心がうきうきと弾みだす季節。それなのに、いま日本中がすっかり元気をなくしています。
新型コロナウイルス(COVID-19)の騒ぎで、大規模なイベントや学校行事は軒並み中止や縮小。一部の娯楽施設は閉鎖や閉園を余儀なくされています。さらに、全国の小学校・中学校・高校の多くが一斉休校になりました。
突然の決定に、特に共働きのご家庭の親御さんが戸惑っているようです。お子さんだけを家に残すことは気がかりだとはいえ、仕事を休むに休めない人が多いのではないでしょうか。
このような状況の中、混乱しているのは大人だけではありません。事情がよくわからない小さな子どもも、大人たちの様子を目にし、不安を感じているはずです。卒業や新入学をひかえたお子さんのいるご家庭は、式が無事行われるかどうか心配されているでしょう。
そこで、提案があります。
お子さんとのコミュニケーションのツールとして、ボイスレコーダーを活用してみませんか?
子どもに音声でメッセージを残してみよう
小学生のお子さんには、自分のスマートフォンを持たせていない家庭が多いでしょう。一方、中学生や高校生のお子さんでスマートフォンを持っていれば、LINEやショートメールで必要なことは伝えられます。
年齢に応じて適切なコミュニケーション方法は異なりますが、どの年齢のお子さんであっても、ボイスレコーダー(ICレコーダーなど)にメッセージを吹き込んでおき、聞いてもらう方法はどうでしょうか。
音声メッセージには、次のようなメリットがあります。
- ペンで書いたり、スマホで文字を入力するよりも時間がかからない
- 録音する側も、再生する側も、操作が簡単
- 録り直しや削除が簡単
- お互いに顔が見えなくても、声から伝わる温かみがある
- 手書きのメモにはない、特別感がある(子どもが聞く耳を持ってくれる)
たとえば、次のような生活や家事に関するメッセージを伝えるのはいかがでしょうか。
- 冷蔵庫にケーキがある、7時には帰ってくるなど、連絡事項
- ◯時から◯時までは勉強、◯◯の宿題と日記を終わらせるなど、学習に関すること
- ◯時から◯時の間の宅配便の受け取りなど、お願いしたいこと
- 洗濯物を取り込んで畳んでおくなど、お手伝いの依頼
- 牛乳、食パン、卵……など、買い物リスト
- 外出から帰った際の、手洗いとうがいの徹底
メッセージの内容は自由です。多くなる場合は、チェックリスト的な手書きのメモを用意しておくとよいでしょう。
お子さんと顔を合わせる時間を充分にとれずに家を出なければならない日に、「おはよう」「行ってくるね」などの挨拶を吹き込むのもいいですね。音声メッセージであれば、面と向かってでは照れてしまうような、やさしい言葉、愛のある言葉をかけられるかもしれません。
一斉休校がはじまってしばらくは、お子さんも生活のメリハリを保てると思いますが、そのうちにゆるみが出たり、やるべきことをやらなかったりするものです。
口頭やメモで伝えても効果がない場合は、音声メッセージとして伝えるのはいかがでしょうか。もしお母さんだけでは効き目がなければ、お父さんに協力してもらい、少し厳しいメッセージを吹き込んでもらうと、子どもがピリッとするかもしれません。
中学生や高校生のお子さんの場合、電車やバスで友だちと出かけたりするでしょう。その分、何らかのトラブルに遭わないとも限りません。新型コロナウイルスの罹患が心配されるような環境に身を置く可能性もあります。常に「親の目」を感じて行動してもらうためにも、音声メッセージで生活上の注意を繰り返し伝えることが大切です。
遊び心を発揮しながら、しかし、大切なことをきちんと伝える手段として、音声メッセージを活用してみてください。
親子のコミュニケーションを増やすチャンス
このような事態にあって、音声メッセージを親子のコミュニケーションを増やすチャンスと考えてみてはいかがしょうか。
お子さんのほうでも、何日か続けるうちに声のやりとりに興味がわいて、親御さんへの返信を吹き込んでくれるようになるかもしれません。
そうなれば、ボイスレコーダーを介した「親子の交換日記」の誕生です。
小学校高学年、中学生、高校生のお子さんであれば、ICレコーダーの操作はそれほどむずかしくありません。小学校低学年であれば、再生や録音がしやすい、操作ボタンが大きなICレコーダーがおすすめです。いずれにしても、数千円程度の機種で充分です。
Amazon.co.jp ボイスレコーダー 売れ筋ランキング
https://www.amazon.co.jp/gp/bestsellers/electronics/85400051/
価格.com ICレコーダー 売れ筋ランキング
https://kakaku.com/kaden/ic-recorder/ranking_2077/
スマートフォンを機種変更した際、古い機種を手元に残しているのであれば、それを使う手もあります。
新型コロナウイルスの影響で、大人も子どももすっきりとしない気分を抱えながら毎日を送っています。それでも、いま置かれた状況の中で工夫し、精一杯楽しむことはできるのではないでしょうか。
ちょっとした遊び心が、お子さんの気持ちを和ませながら成長を支えること、今後の親子関係をよりよい方向へと導いてくれるきっかけになることを願っています。