X(旧Twitter)を利用している際、投稿に埋め込まれたInstagramやFacebookといった競合SNSのURLをクリックしたときに「なんだかとても重い……」と感じたことはありませんか?
インターネット回線が原因かと思い、ブラウザアプリを立ち上げて表示の速さを確認してみたり、いったん機内モードにしてからネットに再接続を試みてみたり。
しかし、これはXによる意図的な速度制限だったことが判明しました。
Xは一部の外部サイトへのアクセスを意図的に遅くしていることを、2023年8月に海外掲示板「Hacker News」で指摘されています。その後、一部の海外ニュースサイトへのアクセス速度は改善されていますが、Bluesky、Facebook、Instagram、Threads、Substackといった競合SNSへのリンクには、依然として速度制限をかけ続けているようです。
短縮URLサービスのリダイレクト中に速度を遅くさせている
テック系ニュースサイト「The Markup」がXのURL読み込みに関する調査を行ったところ、速度制限がかかっていないサイトとの差は約60倍以上で、待たされる時間は平均約2.5秒とのこと。
過去にGoogleが行った調べによると、ウェブサイトの表示までに3秒以上時間がかかると53%のユーザーは見るのを諦めることがわかっており、Xによる速度制限はライバルに対する嫌がらせとして機能しているという声も挙がっています。
さらに、インターネットの接続速度が向上している現在では、1秒でも白紙のページが表示され続けると、「なんだか重い?」と違和感を持つ方も少なくないでしょう。
上記「The Markup」の記事の上部では、速度の差がグラフで可視化されています。
こうして見比べると、競合SNSとそれ以外とのロード(表示)時間の差は歴然です。
画像:The Markup “Twitter is Still Throttling Competitors’ Links—Check for Yourself”
気になるURLへのアクセス速度をチェック
上記の記事の下のほうで、実際に任意のURLへのアクセス速度調査が行えます。
もし誘導したいサービスや他のSNSアカウントがある方は、あなたの投稿からのリンクがどのくらいの速度で表示されるのかを把握しておくことをおすすめします(以下で詳しく説明します)。
2023年7月までと比べて、Xからの流入が減少した場合には、リンクの速度制限が要因になっているかもしれません。そうだとしたら、投稿内に注意書きを添えてみることで、アクセスが遅くでも辛抱強く待ってくれるユーザーが増えるかもしれません。
アクセス速度の確認方法
次の3つのステップで、Xの投稿に含めたリンク(短縮URL)へのアクセス速度を確認しましょう。
1. X(旧Twitter)からリンクの短縮URLをコピーする
投稿そのもののURLではなく、投稿からのリンク先の短縮URL(https://t.co/で始まるもの)が必要です。
投稿内のURLやリンク画像を長押しすることで、短縮URLをコピーできます。
2. The Markupの記事の下のほうにあるボックスにURLを貼り付けて送信する
The Markupは英語サイトです。「Or paste a link from X」と書かれたフォームにURLを貼り付け、「Submit」で送信します(以下の自動翻訳では「提出する」となっています)。
3. 算出されたロード時間を確認する
Submit(提出する)を押すと、URLへのアクセス時間の計算がはじまります。
終点のURLへサイトまでの各リダイレクト時間が表示されます。
Xが速度制限をかけているかどうかは、1つ目のロード時間に注目してみてください。
今回テストに使ったURLが気になった方はこちら。
過去記事:録音や音声メモに無料スマホアプリ「Voistand」を使おう。その7つのメリットとは?
結果はいかがだったでしょうか?
たとえば、Instagramへのアクセスは、以下のように1つ目の数値が大きくなります。
これは前述のとおり、短縮URLサービスのリダイレクト中に読み込みを遅くさせていることが原因と考えられます。
まとめ
X(旧Twitter)は速度制限のほかにも、一部地域(現在はニュージーランドとフィリピン)での新規アカウント登録や投稿を行う場合には年1ドルを必要とする「少額課金プラン」(Not A Bot)を10月17日から開始したりと、ユーザーにとっては有り難くない試みを行っています。
また、課金ユーザーの優先表示を利用して、バズっている投稿に営利目的と思われる無関係の広告を表示するなど、イーロン・マスク体制に変わったXの「無法地帯化」に警鐘が鳴らされる中、Xユーザーとしては引き続き情報収集・発信ツールとして利用するだけでなく、X側の動きによっては別のツールの利用を検討することが大切です。