2017年5月、東和銀行(本店は群馬県前橋市)の当時25歳の男性行員が自殺しました。埼玉県川越市の労働基準監督署の調べにより、上司からの日常的なパワーハラスメント(パワハラ)による自殺であり、労災として認定されていることが2024年5月に判明しました。
パワハラの中には、個人の人格を否定するものだけではなく、グレーゾーンとも判断されやすい「業務指導の体をとった行きすぎた叱責」が存在します。たとえば、営業や業績の成果に関してのみの叱責が行われ、業務の指導として成立していないのが特徴です。
これらは特に体育科系な風土が残りやすい営業現場などで見られ、働き手や会社の成長にはつながらずに従業員の疲弊ばかりが募ってゆきます。
「仕事は先人を見て覚えるもの」という個人主義ではなく、「企業としての教育体制」が問われるようになってきています。
また、2023年のビッグモーターの事件が記憶に新しいように、社内のハラスメントは昨今瞬く間に世の中の評価に繋がり、ひいては株価や会社の業績も大きく影響する時代となりました。
過去記事:2023年「ハラスメント事件簿」5選。ビッグモーター、芸能界、自衛隊事件から今後を考える
そして、ハラスメントは今やメディアで明るみになるような大きなリークだけではなく、SNSや会社の口コミサイトなどを通じて広まることもあります。
今回はそんな、営業現場や業務指導で起きやすいハラスメントから、会社のコンプライアンス体制を守るための対策をまとめました。
なぜ「数字が上がらない」「企業分析が下手」という叱責がNGなのか?
冒頭で紹介した東和銀行のパワハラ自殺事件の背景として、被害者は入社4年目に法人向けの営業担当として異動して以降、上司から「数字が上がらない」「企業分析が下手」などと他の行員の前で日常的に叱責を受けていたとのことです。
営業をはじめとした数字を扱う仕事の中で、このような言葉が使われるケースはありえると思います。
ハラスメントの起きやすい職場のアンケートの中で、常に上位にでてくるのが「上司と部下のコミュニケーションが少ない職場」という項目です。健全なコミュニケーションというのは、意思や感情の疎通があり、相互に深い配慮や歩み寄りがあることを指します。また、業務指導であるならば、発生した問題についての解決策やよりよく仕事を進めるための相談や提案があることが大切です。
もし「数字が上がらない」「仕事の仕方が下手」という問題があり、それらを部下や後輩に指導する場合にも、「なぜそうなってしまうのか」という原因への歩み寄りや、「だからこうした方がよい」という提案があるのが正しい指導といえるでしょう。
もちろん、パワハラやカスハラの「他の従業員や公衆面前での叱責」「怒鳴る」「長時間の拘束(長時間に及ぶ叱責)」というのも、言われた相手の心理的安全性に著しく悪影響を及ぼすため、組織としては安全配慮義務違反にも該当するNG行為とみなされます。
東和銀行の上司の叱責がハラスメントして労災認定された中には、このように問題のある業務指導であり、心理的安全性への配慮に問題があったからだと予想されます(もちろん、発表されている文面では「など」とあったため、これら以外にもハラスメント行為があり、それらをトータルで考慮し労災と認定されているかと思います)。
営業や商談の現場を成長させる、健全な指導方法とは?
では、組織として健全な業務指導を行う場合、どうすべきかを考えてみましょう。
特に営業や商談などその場での反射的な切り返しや対応が必要な業務の場合、「同期のAさんはできるのに」などと個人スキルとして判断しがちなことがあります。しかし、個人のスキルだけに頼り切っていては、企業スキルとしてのベースアップは叶いませんし、偏った業務指導や営業品質になってしまいます。
どうしたら「できるAさん」をより増やし、ノウハウを蓄積し、より多くの成長スキームを作成できるのでしょうか?
これらは、昨今多くのカスタマーサポートなどでも取り入れられている「録音」に注目してみるのがおすすめです。
個人が何かのスキルを取得する方法として「上手な人を真似る」ように、営業を学ぶときには上司や先輩の現場への同行を通して学びます。しかし、すべての上司や先輩の現場に同行することはなかなか難しいですよね。できる営業担当者の商談には文章や口伝だけでは伝わらない、言葉のトーンや間合いがあります。
そこで、営業時に録音を行うことによって、営業の場を会社の学習資産として残すことができるようになります。
また、近年では録音はICレコーダーだけではなくスマホアプリでも簡単に実行できます。記録した音声データを簡単に編集できたり、無音部分は自然にカットして録音できたりするアプリもあります。
「数字が上がらない」という問題に直面したい際に、できる営業担当者の録音データを参考にできるというメリットだけではなく、聞き直しを行うことによって担当者自身が冷静に振り返られるというメリットがあります。さらに、指導者側も録音データを通して、担当者がどのように営業を行っているかを把握し、問題点があれば適切に指導できる効果もあるのです。
場合によっては、営業担当者が取引先やお客さんからハラスメントを受けてしまっているかもしれません。
そういった場合に、も録音データは非常に有効な手がかりとなります。
電話のコール音の最中に「録音を行います」と宣言するようにして以降、詐欺電話が激減したというデータがあるように、人は録音や録画が行われているときには、実際にその場に誰もいなくとも第三者の目を意識します。
営業や商談を行う前に「弊社では営業品質の向上のため、録音させていただいております」という断りがあれば、無理難題を押し通つけよう、押し通そうとするカスハラが減るかもしれません。
また、商談後の「言った言わない」というすれ違いが起きた場合にも、双方に大きな助けになるでしょう。
このように、営業や商談の録音には大きなメリットがあるのです。
録音データを、いかに「楽に」「早く」仕事に活用するか?
ビジネスの場で録音を行うようにすると決めたら。
まず「それがいつ、どこのデータなのか」の振り返りが楽で、「データ容量を気にせずにどんどん録音できる」ものを選ぶとよいでしょう。
無料ではじめられ、音声録音用スマホアプリ「Voistand」では、
- カレンダーUIなので、いつどこでの録音かがわかりやすい
- Googleカレンダーとの連携が可能(録音場所や会議名に基づいて検索可能)
- 話者をタグで管理し検索が可能
- バックグラウンドでの長時間録音が可能
- スマホの容量を気にしなくてもよいクラウドデータ保存
- AIベースの自動文字起こし機能がある
- 過去の音声データの取り込みや文字起こしが可能
など、ビシネスユースに便利な「記録として振り返りやすい機能」が充実しています。
まずは無料で利用できますので、ぜひお試しくださいね。
iOS版(App Store) | https://apps.apple.com/jp/app/id1544230010#?platform=iphone |
Voistandをさらに詳しく知りたい人は、ぜひ以下の過去記事をご覧ください。
過去記事:録音や音声メモに無料スマホアプリ「Voistand」を使おう。その7つのメリットとは?
Voistandでは、ビジネスユーザー向けのサービスもご用意しています。
多人数で利用したい場合や、グループでの活用機能など、規模やケースにあわせて業務効率化に貢献するプランの提案が可能です。
Voistandのお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。
まとめ
2024年の新卒入社の時期に、いなば食品のコンプライアンス問題が公になり大きな話題となりました。
いなば食品は、ペットのおやつ「ちゅ〜る」シリーズが大ヒットし、長尺のCMを多数放映したり、ラッピングトレインまで走っていたりしていましたが、上記の問題が明るみになってから、SNSでは「もう信用できない」という声や不買運動にまで発展しています。
近年、安全配慮義務(ハラスメント対策やコンプライアンス遵守など)の観点から、消費者は企業に非常に厳しい視線を向けています。
録音というと、「秘密録音」や「盗聴」といったマイナスイメージがあった時代は過ぎ去り、もはや「弊社では営業や商談時にも録音を行い、社内のコンプライアンスや営業品質の管理・改善に努めています」という点を大きく掲げることが、企業のイメージ向上につながる時代が来ているのかもしれません。
ぜひ、「録音」をあなたの仕事に役立ててみてください。
Voista Mediaでは、ほかにもあなたならではの「録音」や「音声データ」の活用方法についても、ご意見をお待ちしています。
もしユニークな活用をされてる方がいらっしゃいましたら、Voistandのお問い合わせフォームからぜひ教えてくださいね。