ホーム 学習 「本が読めなくなった」と感じたら、脳の老化の危険信号。大人の「音読」で脳を活性化!

「本が読めなくなった」と感じたら、脳の老化の危険信号。大人の「音読」で脳を活性化!

この記事のサマリー

  • 脳の衰えを感じたら、「音読」がおすすめ
  • 本の選び方や音読の仕方で、脳の活性化する部分が変わる
  • 音読トレーニングのモチベーション維持には音声録音が最適

目次

最近、本を読んでいますか?

筆者は子供のころから、本を読みはじめると1冊読み終わるまですべてのことを後回しにするほど没頭するタイプだったのですが、最近では読み続けるのが辛くなってきたのを感じます。

物語の情景を想像するのに時間がかかるようになったり、伏線にまったく気づけていなかったり、途中でネットサーフィンをはじめてしまったり、読み終えた本も時間が空くと中身をあまり覚えていなかったり、なんてことも。

脳の衰えといった言葉で片付けてしまうのはあまりに寂しく、いろいろと調べる中で「音読」が脳の活性化や読解力向上にとてもよいという意見に行きつきました。

なぜ音読が脳によいのか、どのように音読をすると効果的かをまとめましたので、最近、活字が頭に入ってこないことにお悩みの方は、ぜひお試しください。

脳が衰えるのは、人間らしさを支える前頭前野から

そもそも人が老化を感じる時、脳はどのようになっているのでしょうか?

老化に伴い最も早く機能低下が起こる部位のひとつとして、前頭前野という部位があります。

参考脳科学辞典「前頭前野」

この前頭前野は、思考や創造性を担う脳の最高中枢といわれており、「考える」「一時的に記憶する」という機能から、「順序立てて物事を計画する」「目標体重や健康のために節制をする」「感情を抑える」といった、その人の行動にも深く関わっている部位です。

歳をとって、人の名前が覚えられなくなった、涙もろくなった、怒りっぽくなったというケースは、前頭前野の機能低下が原因かもしれません。

参考人間らしく生きるためには「前頭前野」が大事

また、前頭前野の機能はドーパミンセロトニンGABAといった神経伝達物質によって支えられているため、これらの物質が欠乏すると働きに支障がでてきます。ストレスや鬱(うつ)などの精神的な状態が記憶力や行動力に影響するのはそのためです。ちなみに、前頭前野を取り除いた場合には何事にも無興味、無関心、感情の浅薄化、時と場所をわきまえない言動が多くなるといった状態に陥るようです。

「本を読みあげたいけど、気がつけばスマホでネットサーフィンをしてしまう」というのも、脳の衰えなのかもしれませんね。

まだ間に合う、脳の活性化には音読が効果的

脳の老化も体力の低下と同じく、日常的に脳を使うことで改善できるといわれています。

脳の神経細胞は加齢により減少しますが、神経細胞同士をつなぐ神経線維は学習を通して数を増やし太くできるのです。

参考鹿野晴夫氏インタビュー 第2回「音読で前頭前野を鍛えながら覚えていく」

前頭前野の活性化には、調理をする、簡単な計算をする、新しいことに挑戦するなどの、音読も効果的です

音読は、日本に脳トレブームを巻き起こした川島隆太氏(東北大学医学部教授)も提唱しています。

一日に10分から15分の素読を行うと、記憶力がよくなるばかりでなく、心理学でいう転移、つまり記憶とは別の力まで伸びるという反応が起きます。その能力とは、抑制力、創造力、論理的な思考力といったものですが、実際にMRIで調べると脳の前頭前野の両側の体積が増えていることが証明されているんです。

引用脳トレの川島隆太さんが実証データ「速音読で、脳の回転速度が速くなる」

実は口に出して読むだけで脳の衰えを解消できるなんて、「集中して本が読めなくなった」という人にもってこいの方法ですね。

学習方法に焦点をあてると、「黙読」「音読」「動画視聴」のそれぞれの脳の働きの違いは一目瞭然で、黙読に比べて音読の方がより脳の活性が見られます。動画視聴では前頭前野の働きの低下が見られるようです。

参考学校法人産業能率大学 総合研究所 東北大学 川島隆太教授 インタビュー「読む&書く」からこそ学びは深くなる

脳を活性化させる音読のコツ

まずはただ読み上げるだけでもかまいませんが、さらに効率的に活性化させたいという人に、部位別に見た脳を活性化させる音読の仕方をご紹介します。

参考【脳科学者・篠原菊紀先生に聞いてみた!】「音読」が脳に効くヒミツ ~脳が活性化するってほんと? 頭がよくなる音読のススメ~

1. 前頭前野 …… 考える・感情抑制・記憶の一時保存などに関与

前頭前野の詳しい役割は前述のとおりです。前頭前野をより活性化させるには、難しい文章やはじめての文章を音読するのがおすすめです。

また、速読も大変有効です。人は読んだものを声に出す際にある程度の文章を脳に記憶させてから理解し言葉に出します。これは、口に出すスピードが速いほど短い時間での記憶が必要になりワーキングメモリー(作動記憶)のトレーニングにつながるのです。

2. 大脳辺縁系 …… 食欲や自律神経など本能的な情動に関与

三大欲求をはじめ、喜怒哀楽や情緒のほか、睡眠や血圧や心拍数といった体の機能や自律神経機能を司っています。原始的な情動ともいわれていますが、認知症を患った場合にも大脳辺縁系は衰えないといわれています。

大脳辺縁系を鍛えることは自律神経を整え、感情の理解や共感力につながるといえます。

参考Akira Magazine「大脳辺縁系のおはなし」

大脳辺縁系が活性化するのは、何度も読んだ文章を心地よく音読しているときです。ただし、残念ながら前頭前野の活性化にはつながりません。

3. 側頭頭頂接合部(角回)…… 言語・認知に関与

比喩を理解したり、視覚や聴覚から他者や登場人物の状況理解に役立つ部位です。

体の位置を認識することに役立っているといわれており、ある実験では、この部位への刺激によって幻覚障害や体外離脱体験を引き起こす可能性があるとされています。損傷した場合は、読むことの機能障害(失語症)が生じることもあります。

参考Akira Magazine「大脳皮質のおはなし」

側頭頭頂接合部(角回)を活性化させるには、情景や登場人物の心情を想像しながら音読することがおすすめです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

読む本の種類や読み方によって、さまざまな脳の機能を活性化できます。一日10分でも効果的というデータもあるので、お手元の本や新聞などで音読を試してみてください。

また、モチベーションの維持や速読の成長実感には音声録音がおすすめです。

AI録音アプリ「Voistand」では、録音データがカレンダー管理されるため、何日継続できたかが目に見え、モチベーション維持につながります。AIによる自動文字起こし機能もあるため、いかに滑舌よく音読できていたかをゲーム感覚で楽しめますよ。

参考AI録音アプリ「Voistand」の自動文字起こし機能が便利。議事録やメモづくりに活用!

ぜひ、あわせてお試しくださいね。

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